研究課題/領域番号 |
21K11392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
前田 明 鹿屋体育大学, 役員, 理事・副学長 (40264543)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | スマートフォン / 野球打撃 / 見るトレーニング / 打撃パフォーマンス / 動体視力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、野球の投手から投げられる速球等の映像を、スマートフォンを用いて見るトレーニングで打撃パフォーマンスを向上させることができるか明らかにすることを目的としている。 大学野球選手30名を対象とし、スマートフォンを用いて映像を見るトレーニング群15名、映像を見ないコントロール群15名に区分する。トレーニング群は、投手が投球する映像を加工して作成した超速球映像をダウンロードし、その映像を自身のすきま時間に15球×3セット、4週間見るトレーニングを行う。トレーニングの評価は、140km/hの投球を打撃するパフォーマンステストを行い、打球速度、ミート率等で評価する。
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研究実績の概要 |
本研究では,映像を用いた投球を見るトレーニングが打撃パフォーマンスに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. 実験対象者は,大学硬式野球部に所属する12名(年齢:19.3±0.8歳,身長173.3±6.2cm,体重:74.4±8.0kg)であった.トレーニングはスマートフォンを用いて実際に投手が投じる変化球(右スライダー,120km/h)をバッター目線と捕手目線から撮影し,その映像をスマートフォンやタブレットを用いて,1回30球(15球×2セット)週4日,4週間行う.今回撮影に用いたスマートフォンはiPhone XSを使用し純正のカメラ(1200万画素)のビデオ機能を用いて撮影した.右打者には右打者目線から撮影した映像にてトレーニング実験を行い,左打者にはその逆とした. パフォーマンスの評価は.ボールインパクト時のスイートスポットからボール中心までの距離とした.ティーバッティング20球,フリー打撃10球を行った後,測定は15球行った.評価項目は,スイートスポットからボール中心までの距離(mm),スイートエリアで捉えた回数,内省報告とした. その結果、捕手目線の映像の方が効果があった。具体的結果として、①スイートスポットからボール中心までの距離は5人中2人が減少したが,有意な変化や効果量は見られなかった.その中でA選手は,pre測定では92.95mm,post測定では58.78mmで,有意な変化が見られた(P<0.01).また,中の効果量が見られた(d=0.7).②スイートエリアで捉えた回数も5人中2名が多く捉えることができたが,有意な変化や効果量は見られなかった. ③内省報告として、打者目線の映像よりも軌道が見やすくイメージしやすい、外の球を見逃すことができるようになったなどの内省報告が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
映像をどの位置からどのように撮影するかが重要なポイントであったが、これまでの研究で、捕手目線(捕手の後方からの撮影)が望ましいことがわかった。さらに、実際に打撃を行ない打球が飛んでいく映像にすることがさらによい可能性があることも明らかとなった。 また効果が現れる対象者の打撃能力の特徴も明らかになり、初期値のレベルによりトレーニング負荷を検討できることなどが明らかになったことは大きな進展であった。 上記のようにおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究が整ったところで、トレーニング現場へ普及することが研究計画に入っている。研究成果の普及に関しては、(株)STEAM Sports Lab.との協力により、トレーニングを行いやすく工夫をした上で、共有していく予定である。結果を共同研究先と相談の上、正式なトレーニング映像を完成させ、公開していくスケジュールを決定していく。 次年度は最終年度の予定であるが、今後の研究の共有にも繋がることから、慎重に協議を進めていきたいと考える。
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