研究課題/領域番号 |
21K11399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
橋口 泰一 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (90434068)
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研究分担者 |
大嶽 真人 日本大学, 文理学部, 教授 (90338236)
菊原 伸郎 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90319591)
伊佐野 龍司 日本大学, 文理学部, 准教授 (00734112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | パラスポーツ / コーチング / インタビュー / 競技パートナー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,視覚障害者スポーツを対象にした「競技パートナースキル指標」を実践現場から帰納的に集約した上で体系化し,その指導プログラムの開発を目指す。 その中で,視覚障害者のスポーツを支える競技パートナーは,どのようなスキルが必要なのか,それは,どの段階で,どのようなスキルを備えるべきなのか,競技パートナーの育成には,どのような指導方略が必要なのかといった研究上の問いに対して検討,分析するものである。これは,視覚障害者スポーツを支える人的環境整備における喫緊の課題の解決を目指すものであり,ひいては視覚障害者のスポーツ参加や継続等の実施率に貢献するものである。
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研究実績の概要 |
パラスポーツ強化や普及が急速的になされ強化体制が整備される一方で,指導者不足に悩んでいる現状も報告されている。心理面や身体面の変化を対象にしたアスリートパスウェイに関する先行研究はみられるものの,指導者や支援者のパスウェイを対象にした研究は少ない。パラスポーツが多様な障害を理解してアプローチをしなければならない特性を踏まえると,コーチが自らの資質や能力,理念をどのように形成したのか帰納的にモデル化することが肝要である。パラスポーツコーチの資格制度は,専門性向上と質の保証を目的とし,医学・心理学的特性の理解や指導プログラムの立案などが盛り込まれている。コーチは自身のコーチング理念を精査し,アップデートする必要がある。しかしながら,パラスポーツのコーチが自らのコーチング理念をどのように形成したのか開示した研究も多くない。 これまで実施したパラスポーツボランティアに従事する者からの調査を土台とし,パラスポーツのコーチ(支援者)育成に関する連携のあり方を検討した。令和5年度は,特にパラリンピックで金メダルに導いたコーチや強化の中心となっている人物を対象に,これまでの体験による自己成長や気づきにおける調査から,自らのコーチング理念がどのように形成されたのか探索することを目的にした。コーチングにおける重視する側面,コーチとしての展望,社会的資源の活用について半構造化インタビューを実施した。 その結果,コーチが選手の言葉を引き出し,スタッフ間のコミュニケーションを促進する役割を果たしていることが開示された。その目的は,選手の背景を理解し,安心して競技に臨める環境を作るためであり,障害の有無に関わらず,個々の立場や専門性を尊重し,意思疎通を重んじる理念に基づいていた。 次年度は,これまでのインタビューデータについて詳細な分析ならび研究発表を通して,社会に認知していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を進める上での質的な分析は,必要となる支援者にインタビュー調査を行った。令和6年度に向けて,指導者,支援者へのインタビュー調査等について行った。なお,インタビューガイド等の作成にあたり,その都度コーチやスタッフと,トレーニング環境,コーチや支援者,ガイドの成長や変化について,ヒアリングを実施した。現在,分析を実施されており,様々な知見が得られている。 国内学会のみならず,国際パラリンピック委員会(IPC)主催のVISTA2024conferenceにて発表を予定していたが,投稿受理されたものの国際情勢不安(イスラエルによるガザ侵攻等)にて,開催が延期となり発表することがかなわなかった。またそれに伴う海外研究者との調査も行う予定であったが実施することができず,国外での動向など調査の実施が不充分であった。未だなお,国内の調査は実施できているものの,国外における基盤調査を実施することができていない。これまでのインタビューデータについては,基礎的な分析から研究発表をおこなった。 研究実施にあたり,日本パラリンピック委員会,国内外のアダプテッドスポーツ関係者や研究者と情報交換や進捗状況についての会議を緊密に実施した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,関連する研究者との国外におけるパラアスリートやコーチ,スタッフ,支援者等とのインタビュー調査を一部実施することができた。対面・ オンラインを交えながら,インタビューガイド等の作成にあたり,その都度コーチやスタッフとトレーニング環境,コーチや支援者,ガイドの成長や変化について,ヒアリングを実施し様々な知見が得られた。 令和5年度は,関連する研究者との国外におけるパラアスリートやコーチ,スタッフ,支援者等とのインタビュー調査を一部実施することができた。対面・ オンラインを交えながら,インタビューガイド等の作成にあたり,その都度コーチやスタッフとトレーニング環境,コーチや支援者,ガイドの成長や変化について,ヒアリングを実施し様々な知見が得られた。 最終年度となる令和6年度は,継続的な調査に加え,これまでのインタビューデータをもとに研究成果の発信を行う。なお,分析された結果をもとに,アダプテッドスポーツ競技団体関係者と検討を行い,分析結果の信頼性を検討することが大きな課題となる。詳細な分析やディスカッションを通して,今後の研究を進める上での基礎的な資料の作成を行う。 またこれまで新型コロナウィルスや国際情勢等により,国外の研究者とディスカッションを進めることができなかった。また,国際学会での発表とドイツの大学におけるパラスポーツの指導者養成や環境調査をすることになっている。これまでの研究成果をまとめ,引き続き関連学会での論文投稿を目指し,国内外の関連学会にて発表及び論文を投稿する。
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