研究課題/領域番号 |
21K11407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
北條 達也 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40298740)
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研究分担者 |
福岡 義之 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20265028)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 冷炭酸水浴 / アイシング / 皮膚温 / 物理療法 / 冷水浴 / 炭酸ガス / 遠位潜時 / 末梢神経 / 疲労 |
研究開始時の研究の概要 |
アスリートにとって疲労や傷害からの早期回復はパフォーマンスの維持のため重要である.競技によってはアイスバケツ(氷水)内へ入水しヒートアップした身体を冷却させたり、傷害部位を冷水浴させる処置を実施している.しかし、この単純な冷水浴では体表の血管は収縮して熱放散が抑制され、体表は冷却されるが身体深部まで冷却効果が浸透しにくい.20℃のマイクロバブル炭酸冷水浴では、単純な冷水浴とは異なり二酸化炭素の強力な血管拡張効果によって皮膚血管および皮下の筋血流を増加あるいは維持したまま冷却することが可能である.本研究では、この知見を用いて、20℃冷炭酸水浴の疲労回復効果を、全身浴および局所浴によって評価する.
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研究実績の概要 |
研究内容:これまでの研究で冷却によって炭酸ガスによる血管拡張効果よりも血管収縮が優位になる10℃におけるマイクロバブル冷炭酸水への下腿浸漬後の皮膚温変化を10℃冷水浸漬とを比較した。 対象:健常者10名を対象とし、2つの実験群(冷水群とマイクロバブル冷炭酸水群)を設定した。方法:被験者は座位で10分安静にしたのち、5分間右脚の下腿浸漬、その後20分間安静にさせた。なお、5分毎にphaseを設定し安静期(R0,R5,R10)、浸漬直後(W5)、回復期(rec5,rec10,rec15,rec20)とした。腓腹部の皮膚温計測はサーモギアを用いて両脚同時に行った。結果:W5における浸漬脚の皮膚温は冷水群で19.98±1.42℃、マイクロバブル冷炭酸水群で18.96±1.05℃であり、マイクロバブル冷炭酸水群が冷水群よりも有意に低値を示した(p<0.05)。一方、2群間で冷却後の浸漬脚の皮膚温上昇に有意差は認められなかった。 10℃マイクロバブル冷炭酸水への下腿冷却には冷却効果があるが、回復促進効果はない可能性が示された。 また、炭酸ガスによる血管拡張効果よりも血管収縮が優位になる20℃においても同様の実験を行い、20℃炭酸水群の浸漬脚は血管拡張効果によって熱放散が促進され、浸漬後の皮膚温回復が抑制されることを確認した。 スポーツ現場においてアスリートの肉ばなれに対する治癒促進効果の評価を開始する予定であったが、協力予定の体育会にトラブルが発生して予定していた練習や試合がこなせず、肉ばなれ症例を収集できない状況になったため2022年度は実施を断念した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スポーツ現場においてアスリートの肉ばなれに対する治癒促進効果の評価を開始する予定であったが、協力予定の体育会にトラブルが発生して予定していた練習や試合がこなせず、肉ばなれ症例を収集できない状況になったため2022年度は実施を断念し、2023年度に持ち越した。
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今後の研究の推進方策 |
冷炭酸水浴の臨床現場における効果を評価するため、アスリートの肉ばなれ症例に対して、冷炭酸水浴を実施し、回復促進効果を評価する。評価には超音波パワードップラーを用いて受傷部位の経時的な局所の炎症性血流の変化を評価し、対象群(冷炭酸水浴を実施しない群)と比較する予定にしている。
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