研究課題/領域番号 |
21K11414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
酒井 忍 公立小松大学, 生産システム科学部, 教授 (80196039)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 野球 / 卓球 / 投球機 / 球種 / 慣性センサ / スポーツ / スポーツ科学 / 飛翔 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,開発する高速かつ多彩な変化球(球種)を高い制球精度で投球できる野球用,卓球用の高性能スポーツマシンと慣性センサ等を用いて,野球では「ジャイロボール」等を,卓球では横回転系,ジャイロ回転系の「チキータ」等の高度な球種の空力特性および飛翔軌道を解明する.また,実投手の人差指(示指)を模倣し,柔らかく滑りにくい柔剛合わせ持つ剛性可変把持装置と,縫い目に影響されにくい発射ローラを研究開発する.高性能発射マシンと高精度慣性センサ,力覚センサおよび高速度ビデオを駆使し,微妙に変化する球技用ボールの飛翔軌道や特異なバウンド挙動など,未だ解明されていない高度な球種の秘密を解き明かす.
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研究実績の概要 |
本研究では,開発する高速かつ多彩な変化球(球種)を高い制球精度で投球できる野球用,卓球用の高性能スポーツマシンと慣性センサ等を用いて,野球では「フォークボール」,「ツーシーム」,「ジャイロボール」等を,卓球では横回転系の「カーブドライブ」,ジャイロ回転系の「チキータ」等の高度な球種の空力特性および飛翔軌道を解明する.開発するマシンは,球速,スピン数,スピン軸をそれぞれ独立に制御できる4ローラ式発射機構を採用する.本研究では,実投手の人差指(示指)を模倣し,柔らかく滑りにくい柔剛合わせ持つ剛性可変把持装置と,縫い目に影響されにくい発射ローラを研究開発する.新たに開発する高性能発射マシンと高精度慣性センサ,力覚センサおよび高速度ビデオを駆使し,微妙に変化する球技用ボールの飛翔軌道や特異なバウンド挙動など,未だ解明されていない高度な球種の秘密を解き明かす. 本年度は,開発した4ローラ式野球用ピッチングマシンを用いて投球実験を行った.本マシンで投球するボールを高速度ビデオと高精度慣性センサで投球性能を評価した.各ローラ回転数や交差角を調整し,球速は最高160km/h,球種は直球,カーブだけでなく,ジャイロボールやスイーパー等の高度な球種も投球可能であり,投球精度は平均ボール1.5個で投球できていることを確認した.また,4ローラ式卓球用発射マシンを製作し,トップスピンやバックスピンはもちろん,横回転系のカーブドライブ,ジャイロ回転系のチキータ等の高度な球種が発射できることを確認した.また,本マシンから無回転,トップ,バックの3球種のボールをラケットに向かって衝突させ,卓球ラバーの反発特性の違いを計測した.その結果,球種によって反射角が大きく変化し,球速も変化することが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
様々な球種(変化球)を任意の球速で精度よく投球できる野球用のピッチングマシンを開発した.開発したマシンを用いて投球実験を行った結果,最高球速は160km/h,直球やカーブはもちろんフォークボール,ツーシーム,さらにはジャイロボールやスイーパー等の高度な球種(変化球)も投球できることを高速度ビデオの画像および高精度慣性センサからスピン軸とスピン数を計測した.ボールのスピン数は3,000 rpm以上もあり,実投手を超えるような高スピン数のボールも投球できる高い投球性能を有している.また,投球精度は,ジャイロボールやスイーパー以外の球種では,ボール1.5個分未満の高い投球精度を有しており,開発したマシンの投球性能が高いことが確認できた. また,4ローラ式の卓球用発射マシンを設計・製作し,本マシンを用いて発射実験を行った.トップスピンやバックスピンはもちろん,横回転系のカーブドライブ,ジャイロ回転系のチキータ等の高度な球種が発射できることを確認した.本マシンから無回転,トップ,バックの3球種の卓球ボールをラケットに向かって衝突させ,卓球ラバーの反発特性の違いを計測した.その結果,球種によって反射角が大きく変化し,球速も変化することがわかった.
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今後の研究の推進方策 |
開発した野球用ピッチングマシンの投球性能をさらに向上させるため,実投手の人差指(示指)を模倣し,柔らかく滑りにくい柔剛合わせ持つ剛性可変把持装置と,縫い目に影響されにくい発射ローラの開発を目指す.また,CAEを用いた投球シミュレーションを実施し,ローラ材質やローラ形状を最適化し,さらなる投球精度の向上を目指す. また,開発した卓球用の4ローラ式発射マシンを活用し,低速~高速(サーブ~スマッシュ)の幅広い球速範囲かつ,種々の球種(ドライブ,カット,チキータ等)のボールを卓球ラケットに向かって発射させて,卓球ラバーの反発特性(反射速度や反射スピン数)の違いを高速度ビデオカメラで詳細に計測し,卓球ラバーの性能評価を実施する.また,卓球ラバーの種類における経年劣化を考慮した反発性能の違いを明らかにする.
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