研究課題/領域番号 |
21K11415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
辻岡 哲夫 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40326252)
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研究分担者 |
渡辺 一志 大阪公立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 客員教授 (50167160)
松浦 義昌 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 客員研究員 (60173796)
横山 久代 大阪公立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (10647829)
川端 悠 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 准教授 (20713390)
山科 吉弘 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (80585456)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺年齢 / 肺機能評価 / 慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 吹き戻し棒 / 肺トレーニング / 呼気計測 / 呼気流量 / 呼気流速 / 静電容量センサ / 圧力センサ / 計測回路試作 / トレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
子どもの玩具として親しまれている「吹き戻し棒」を改良し、肺年齢の推定を可能とする新たな肺機能評価機器の開発を行う。内圧センサや伸縮部に埋め込んだ長さセンサを用いて、呼気/吸気の流量・流速を計測する。肺年齢を推算するための回帰式を導出し、その高精度化に取り組む。また、主に中高齢者を対象とした検証実験を行い、肺年齢推算の精度を評価する。トレーニングデータをサーバで自動的に管理・分析できるようにし、スポーツ健康科学、及び、医学的知見から、慢性閉塞性肺疾患に対する効果を検証する。
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研究実績の概要 |
高齢者や肺疾患者を対象とした肺トレーニングとして吹き戻し棒の活用が注目されているが,これまでは,吹き戻し棒を吹くことによる運動強度の把握を客観的・定量的に行えていなかった.本研究の目的は,計測機能を備えた電子吹き戻し棒を研究開発し,内部ゲージ圧,長さ,伸びきるまでの時間,使用頻度,使用時間帯などを自動計測し,得られた特徴量から肺年齢を推算可能とすることである.また,吹き戻し棒を用いた長期的な肺トレーニングによる効果を評価し,健常者の健康維持や,肺疾患者のリハビリテーションに適したトレーニング法を構築することを目指している. 令和5年度は,実用性を考慮した新たな肺年齢評価機器を開発した.吹き戻し棒の内部に電子回路を設置する内蔵型と外部に設置する外付け型を試作した.内蔵型は,電子回路基板上に実装された温度センサ,湿度センサ,ゲージ圧センサにより多角的な計測が容易に行えるが,呼気の湿度による測定精度劣化の問題があることがわかった.なお,機器の操作は機器を振ることで行い,電源ON/OFFに加えて,被験者番号の入力などを行えるようにした.外付け型は,ゲージ圧程度しか測定ができないものの,呼気湿度による問題を回避できるほか,操作ボタン・液晶パネル・スピーカなどを具備させることができ,インタフェースの向上を実現できた. 肺年齢推算については,安定したデータ取得,特徴量の算出,肺年齢の推算式の開発の3課題を含む.安定したデータ取得については,音楽に合わせた運動によって各測定値の分散を減少させることができた.特徴量については,流量,ピークゲージ圧などの基本項目に加えて,5回吹いたときのピークゲージ圧の減衰率など,考えられる項目を算出した.これらの特徴量を用いて,ステップワイズ法を用いて,肺年齢の推算を行い,医療機器のスパイロメータによる測定値(真値)との比較を行い,小さいRMSEを達成できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は大きく研究が加速させることができたものの,まだ,当初の遅れを取り戻せるまでには至っていない.また,ステップワイズ法による肺年齢の推算式だけでは,十分な精度が出ているとはいえないため,引き続き検討を必要としている状態である.令和6年度は,十分な精度が得られる新たな推算式を検討するため,さまざまな視点から取り組み,令和6年度中に大規模被験者試験までを終えたい予定である.
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今後の研究の推進方策 |
肺年齢の推算式については,重回帰分析により導出を試みている.ステップワイズ法よりも精度がよい推算式の導出のために,強制投入法を始めとするそのほかの視点からのアプローチを試みる予定である. 計測データのネットワークを介した自動収集については,独自サーバを用いずにGoogleスプレッドシートなどのクラウドサーバを活用し,研究開発期間の短縮化を目指す. 現在,手持ちのスパイロメータで実験を進めているが,令和6年度に1台を購入し,大規模被験者試験を加速させたいと考えている.
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