研究課題/領域番号 |
21K11430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
湯川 治敏 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (40278221)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 可搬型2次元衝撃試験機 / ロングパイル人工芝 / ウレタン系サーフェス / 2次元粘弾性モデル / 2次元動特性評価 / スポーツサーフェス / 2次元緩衝特性 / 動特性評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,実際に施工された陸上競技場などのウレタン系サーフェス,野球やサッカー,テニスなどで利用される各種人工芝などの2次元動特性評価法の開発を行う.従来,スポーツサーフェスの特性評価としては衝撃試験による鉛直方向の衝撃減衰率と最大変位による緩衝性能評価および動的な摩擦係数の測定によって評価していたが,この方法では人間の動作特性である斜め方向の衝撃に対する特性や実際の動作時間に相当する衝撃に対する評価をしていない.そこで,本研究では実際に施工された各種スポーツサーフェスに適用可能な可搬型2次元衝撃試験機を製作し,実践的な動特性評価法の開発を行う.
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研究実績の概要 |
本研究は,実際に施工された陸上競技場などのウレタン系サーフェス,野球やサッカー,テニスなどで利用される各種人工芝などの2次元動特性評価法の開発を行う.従来,スポーツサーフェスの特性評価としては①衝撃試験による鉛直方向の衝撃減衰率と最大変位による緩衝性能評価および②特定の条件における動的な摩擦係数の測定によって評価していたが,この方法では人間の動作特性である斜め方向の衝撃に対する特性や実際の動作時間に相当する衝撃に対する評価をしていない.そこで,申請者は2次元衝撃試験機により人間の動作特性を踏まえた衝撃試験を実施し,モデル化とシミュレーションによって動特性を評価してきた.しかしながらこれまではサーフェスとの接触面が樹脂や金属の一様な平滑面であり実際の使用状況とは異なる環境下での特性評価であった.そこで本研究ではこれまでの研究を発展させ,実際に施工された各種スポーツサーフェスに適用可能な可搬型2次元衝撃試験機を製作し,実践的な動特性評価法の開発を行う.具体的には2次元衝撃試験機のセンサユニットの小型化と軽量化を図り,スパイクピン,スパイクスタッドをセンサユニット下部に装着できるような改良を行った.これにより,ウレタン系サーフェスや人工芝等に対して実際の人間の動作に模した衝撃力を加えることが可能となった.これらの条件により2次元衝撃試験を実施することにより、従来の鉛直方向のみでは評価していなかった水平方向の衝撃力に対するサーフェスの挙動が明らかとなり,新たな知見が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目の成果としてはセンサユニットの大幅な小型化と軽量化を実現でき,さらにセンサユニットの再設計を行うことによってもさらに小型化・軽量化を進めた.結果的にセンサユニット下部には新たに陸上競技におけるスパイクピンやサッカー・ラグビースパイクに装着するスタッドをセンサユニット下部に装着できるよう改良を加えた.この新たなセンサユニット下部の構造によりこれまでサーフェスとの接触面は平坦な金属面であったが,実際の陸上競技場スパイクピンやサッカー・ラグビーなどのスパイクに用いられるスパイクスタッドを装着しての2次元衝撃試験が実施可能となった.ロングパイル人工芝に対してセンサユニット下部がスパイクスタッドの状況による2次元衝撃試験を実施し,鉛直方向同様に水平方向の衝撃緩衝性を検討したところ,緩衝性の無い床面に対する水平方向の衝撃力の最大値よりも緩衝性が予想される人工芝の方が大きな値となることが観察された.鉛直方向の緩衝性については同一落下高・落下重錘によって生じる最大衝撃力の減衰率により緩衝性が検討できていたが,水平方向においては,初期角度,重錘落下高を変化させた場合にはほとんどの条件で床面における最大衝撃力よりも人工芝における最大衝撃力の方が大きな値となり,緩衝性が認められない結果となった.この状況は通常予想されない結果であり,このメカニズムを解明するためにロングパイル人工芝の特殊サンプルを用いて原因究明に時間を費やした.結果的に床面での初期角度を設定しても,人工芝の場合には衝撃期間中に角度が変化するため,その角度変化に応じて水平方向衝撃力も大きくなることが判明した.このメカニズムを究明するために多くの時間を割いてしまい,結果的には可搬型への改良までには至らなかった.しかしながら平行して進めていたセンサユニットへのシューズ装着に関してはその設計と施工の見通しを立てることができた.
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今後の研究の推進方策 |
現在の状況は2次元衝撃試験機のセンサ部分を再設計した後,初年度の予算で新たに3軸荷重センサを購入しセンサユニットの小型化・軽量化を実現できた.これにより,センサユニット底面に陸上競技用のスパイクスタッドやサッカー・ラグビー用スタッドを装着し,ウレタンサーフェスや人工芝において実際の人間が運動する際の衝撃を模した実験が可能となった.さらに2年目の各種サーフェスへの衝撃試験の結果によりロングパイル人口芝での水平方向衝撃力の発生メカニズムを解明できた.さらに平行してセンサユニットへのシューラストの装着についての設計を行い,実現に向けての準備が整った.今後は現在の衝撃試験機を可搬型とするためにセンサユニット・サポート部および落下重錘サポート部下部に移動用機構を追加し,施工済みのフィールドでの衝撃試験を行うと共に実際のスパイクを装着した状況で2次元衝撃試験機での測定を行い,人の実際の動作を模した条件での2次元衝撃試験を実施することにより2次元動的緩衝性の検討を行う.
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