研究課題/領域番号 |
21K11432
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
若吉 浩二 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (30191729)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 有浮力補助ブイ / 水中バランス / 水泳指導法 / 学校水泳 / 安全水泳 / 水平浮き身姿勢 / 背浮き姿勢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①水中バランス補助ブイ装着時において伏し浮き姿勢および背浮き姿勢から瞬時に安全に立位姿勢を取れることが重要であり、体格・体型と泳力に応じた補助ブイの最適な浮力設定の方法について検討を行うこと、②学校水泳において児童の泳力二極化と教員の指導力問題を解決すべく、長期的視点から小学校水泳授業において補助ブイを用いた指導を試みより良い指導法の確立を目指すこと、③水泳不得意な若者、中・高齢者および肢体不自由者が泳ぎ習得を容易とする補助ブイ活用した短期の指導法を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
我々が開発した骨盤側部から大腿側部にかけて浮力(8 N)を付加する水中バランス補助ブイ(スイムバランサー,以下SB)の特徴は,水中での水平姿勢において浮心重心間距離を短縮し,水平姿勢が容易に取りやすくなる.そこで,本研究では,SBを小学校の水泳授業に導入し,その有効性を検証した.導入した学年は2年生および3年生である. 2年生では,SBを装着することで腰回りの浮力を高め足が大きく沈まずに,一直線に近いストリームラインを作り出し,「け伸び」での推進力が増した児童が多く見られた.また,顔を水につけることや水中で息を吐くことが出来ない児童も,SBとビート板を使って5~10m程,けのび・バタ足で進むことが出来るようになった.そして「浮く」ことでは,ある程度の泳力を有している児童の多くが大の字で15秒以上浮くことができた.さらに,学年の半数以上の児童が背浮きを出来るようになった. 3年生では,最初の手応えとしては,「姿勢が保ちやすい!」「着けると浮きやすい」という声があった一方で,「思ったより浮かない」「腰が浮くから顔がしずんで怖い」という声も少なからずあった.しかしながら,多くの子どもがSBの効果を実感したのは,「浮く・もぐる」から「浮いて進む」のけ伸びやけ伸びバタ足である.SBを使用することで姿勢が保持しやすくなり,「スーッと進めた!」「体が浮かんでいる感じがする」と,浮いて進む感覚を掴むのに手応えを感じる児童が多かった.また,スイミングスクールに通い,泳ぎにはある程度自身があった児童にも,「着けることで泳ぎやすくなった」と効果を実感する声が多かった. よって,低学年および中学年において,SBは,児童の不安を和らげ,泳力に関係なく「浮く」・「浮いて進む」水泳学習に有効な水泳補助具であるといえよう.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小学生を対象にした研究は予定通り進行している。しかしながら、障がい者、とりわけ肢体不自由者を対象とした研究成果は十分に得らえていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年は、2か所もしくは3か所の小学校の夏季水泳授業に介入し、開発した水泳補助具を活用し、中学年対象では「浮き身」と「水中移動」の基本的な習得方法、そして高学年では「平泳ぎ」や「クロール」の習得方法の研究を進める。 障がい者対象にした研究では、日本パラ水泳連盟と連携し、競技レベルの低い選手を対象に補助具の活用方法の検討を行うとともに指導法の作成に取り組む。
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