研究課題/領域番号 |
21K11458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
西多 昌規 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (10424029)
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研究分担者 |
塩田 耕平 金沢星稜大学, 人間科学部, 講師 (40638962)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 睡眠 / スポーツ / 身体運動 / 睡眠慣性 / 仮眠 / 眠気 / ノンレム睡眠 / リカバリー / コンディショニング / アスリート / メンタルヘルス / 体内リズム |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠によって、疲労回復や作業能率の向上みられることがわかっています。しかし、睡眠から覚醒した後には、睡眠慣性(覚醒後のぼんやりした、覚醒度の低い状態)が残ります。睡眠慣性は、睡眠の時間や質によって、認知能力に与える影響が異なってくることがわかっています。しかしスポーツなど身体運動については、睡眠時間によって、覚醒後から活動開始まで、どのくらいの時間間隔をおいたほうがいいのかは明らかではありません。本研究では、仮眠を用いて、仮眠後における睡眠慣性と身体運動能力の経時的変化を実証することを目的とします。本研究の成果は、一般人だけでなく、アスリートの練習スケジュール調整にも役立つと考えられます。
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研究成果の概要 |
本研究では、睡眠慣性の変移と身体運動能力の経時的変化を実証することを目的とした。異なる仮眠時間条件を設定し、握力を仮眠前と比較したところ、60分仮眠条件において、握力は仮眠なし、20分仮眠と比較して有意な低下を認めた。実験2では、巧緻な技術を要するスポーツスタッキングを実験課題とし、仮眠中は脳波を記録して、異なる睡眠段階で覚醒させ、仮眠前の成績と比較した。ノンレム睡眠第3段階で覚醒させたときのスポーツスタッキング所要時間は、開始前に比べて有意に延長した。以上より、60分仮眠やノンレム睡眠第3段階で覚醒させるなど、強い睡眠慣性がはたらく場合は、一部の運動パフォーマンスは低下することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、アスリートの練習や競技試合のスケジュール策定と、それに合わせるコンディショニングに役立つ。朝練習を日課としているアスリートは、睡眠不足や午後のパフォーマンス低下に悩んでいる。また若年者は夜型のクロノタイプをもつことが多く、起床時の覚醒度が低いため、起床・覚醒してすぐの運動は、不測のケガも生じやすい。運動の種類によっても異なるが、覚醒から身体運動開始まで約30分の時間間隔が望ましいこと、運動刺激によってこの時間間隔は短縮される。この結果から、夜間睡眠から覚醒後の朝練習、仮眠から覚醒後の午後のトレーニングでは、30分程度の十分な時間間隔と、十分なウォーミングアップが望ましい。
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