研究課題/領域番号 |
21K11482
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 新潟工科大学 |
研究代表者 |
伊藤 建一 新潟工科大学, 工学部, 教授 (10288251)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 卓球 / 3次元計測 / 戦術 / デプスカメラ / 3次元 / 数値流体解析 / 深層学習技術 / 戦術要素 / 計測システム / 3次元軌跡 / リアルタイム |
研究開始時の研究の概要 |
卓球競技は他の球技に比べてラリーが非常にスピーディーであるため,戦術分析の重要なカギとなるボール打球の情報分析が困難であり,従来の戦術分析では対戦する選手の位置と打球コースを時系列に沿って記録することにとどまっていた.近年開発されたデプスカメラと高速処理できるコンピュータを利用すれば,速度の速いボールの回転数や飛行軌道を3次元で定量的に計測することが可能となる.本研究はこれらの機器を利用して得られたデータに選手の位置,姿勢などを組み合わせることで,これまで断片的であった情報を統合したより有用な戦術分析方法を構築し,競技会場でほぼリアルタイムでこれらの情報を提供できるシステムの開発を目的とする.
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は,デプスカメラを用いた卓球戦術要素のリアルタイム測定・分析システムの実用化技術を構築することである.研究実施項目は,卓球ボールの運動パラメータ(運動初期の並進速度及び回転方向・回転速度)の推定手法の開発,選手の3次元位置・姿勢の推定手法の開発,3次元軌跡の自動計測手法の開発である. 運動パラメータの推定:まず,デプスカメラを用いて卓球ボールの連続的な3次元位置を計測し,3次元軌跡を生成できることを確認した.次に,卓球ボールの3次元軌跡から運動パラメータを推定する方法論を開発した.運動パラメータの推定値は,計測された3次元軌跡と運動モデルから生成した3次元軌跡の平均二乗誤差を目的関数とし,これを最小化する運動モデルの初期並進速度と初期回転方向・速度とした.探索には粒子群最適化法を用いた.本研究で提案した方法で,運動パラメータを安定して高い精度で推定可能であることを確認した.さらに,CFD解析を用いて上記の運動パラメータの推定に必要となる空力係数を算出した. 選手の3次元位置・姿勢の推定:まず,デプスカメラで撮影した選手同士の卓球ストロークラリー中の動画から,深層学習技術を用いた姿勢推定手法を用いて,2次元の選手位置・姿勢を推定する手法を開発した.次に,画像データと距離データの対応関係を用いて,上記で推定した選手の位置・姿勢に対応する画素の距離データを求め,選手の3次元の位置・姿勢を推定する手法を開発した. 3次元軌跡の自動計測:デプスカメラで撮影した選手ストロークの距離画像データから,物体検出技術を用いて卓球ボールを自動で抽出し,3次元軌跡を計測する手法を開発した. 本研究では,リアルタイム測定・分析システムの開発に至らなかったものの,上記のように,各種実用化技術を構築することができた.
|