研究課題/領域番号 |
21K11490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
上野 晋 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00279324)
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研究分担者 |
野中 美希 東京慈恵会医科大学, 医学部, 特任講師 (60758077)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん悪液質 / モデルマウス / 心機能障害 / ユビキチンープロテアソーム系 / 自発運動 / ユビキチン-プロテアソーム系 / フラボノイド |
研究開始時の研究の概要 |
近年、医療技術の進歩とともにがん治療を受けながら職場へ復帰することが可能になっている。その一方で抗がん剤による副作用、あるいはがん自体がもたらす全身性機能低下(がん悪液質)、特に心臓の機能障害により、治療と就労の両立を継続させることが困難となるケースも少なくない。 本研究ではがん悪液質患者と類似する症状とともに心機能障害を伴う新しいモデル動物を用い、自発運動の負荷、ならびに栄養の介入による悪液質症状/心機能の改善効果を検討するもので、将来的にはこのデータを基盤としたがん悪液質に対する運動療法ならびに栄養補助を導入した新規治療法の開発を目指している。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト胃がん細胞株85As2細胞を移植したがん悪液質モデルマウスに出現する心機能低下の発症機序の解明すること、その心機能低下に対して栄養補助による改善の可能性を検証することを目的とした。その結果、がん悪液質モデルマウスの心筋では、ユビキチン-プロテアソーム系が亢進していること、この亢進が自発運動の負荷により抑制されることが判明した。また腫瘍を外科的に切除すると、がん悪液質症状が著しく改善することから、おそらくは85As2由来の因子ががん悪液質と心機能障害の発症に重要な役割を果たしていると考えられた。現在ユビキチン―プロテアソーム系の亢進に対するフラボノイドの効果を検討している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、がん悪液質に伴う心機能障害の発症機序にはユビキチン-プロテアソーム系の亢進が関与していること、自発運動負荷はこの亢進を抑制することが判明したことから、この心機能障害に対して運動療法が導入できることが期待される。さらに、心筋のユビキチン-プロテアソーム系に対して選択的にその亢進を阻害する化合物は、補助療法として運動療法と併用できるものにつながる可能性が考えられることから、フラボノイドを中心にこのような作用を示す栄養素を探索する予定である。
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