研究課題/領域番号 |
21K11492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
小川 宏 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (50224118)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自分手帳 / デジタル / 健康 / 運動 / アプリ / ライフログ / 小学校 |
研究開始時の研究の概要 |
自分の体力テスト結果や行った運動、身長、体重、食生活などを継続して記録していく「自分手帳」が福島県の全児童、生徒に配布されている。しかしこの手帳は個人情報が記入されているため、管理をどうするかという課題や、記入できるページ数が限られているため、気軽に書き込めないといった、紙媒体ゆえの課題がある。そこで本研究では、この自分手帳をデジタル化し、タブレット端末やスマートフォンに搭載することで活用が促進されるのではないかと考えた。 研究計画として、1年目はデジタル版自分手帳の開発と大学生による検証と改良、2年目は学校現場での試行と効果測定、3年目は学会での発表を行う予定で進める。
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研究実績の概要 |
研究2年目となる2022年度は、協力企業と打合せを継続し、web版自分手帳アプリの作成を進めた。初期版自分手帳アプリは入力画面や配置、項目が機械的で小学生が入力しやすい仕様になっていなかったため、改良した。また福島大学内でもiPadを使用し、自分手帳アプリを試用して使いやすさや機能の改良点を検討した。 8月には青少年自然の家が実施する小中学生キャンプ事業のプログラムの中に、ウェアラブルデバイスを活用した運動記録の取り組みを提案し実施した。実施後、ウェアラブルデバイス装着による運動促進効果について分析した結果、デバイスを装着する意義についての理解は深まるが、装着したことによって運動頻度増や運動時間増などの運動促進効果が高まるとは言えないことが分かった。この結果については論文としてまとめ、福島大学論集に投稿し掲載された。デバイス装着による運動促進効果については、研究者がデバイスを装着し検証を継続している。 12月には福島県教育委員会と協力し、小学校での実証実験を行った。訪問調査では授業時に縄跳び運動の記録を入力する場面を視察するとともに、授業後に教員への聞き取りを行い、デバイスの使いやすさについて回答してもらった。その結果、1クラスの児童が同時に入力すると入力作業が滞ってしまう現象が時々発生することが分かった。他の学習アプリでは入力障害が発生していないことから、学校の回線に問題があるのではなく、データ管理しているサーバー側の問題である可能性が疑われた。この障害の原因と改善方策について、データ管理会社に確認を依頼した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、2022年度末までに自分手帳アプリを完成させ、小学校での実証実験を行い、各自治体へ普及するための準備を終了させる予定であったが、コロナ感染症への対応に追われる学校現場や県教委との連携、協力が思うように取れなかったため、アプリの事象実験と改良、完成への作業が滞ってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度となる2023年度は研究成果のまとめと発表を行う予定であったが、学校現場でのアプリ実証実験と改良、完成、小学校への導入が進んでいないため、今年度もアプリの実証実験と改良の作業を進めていく予定である。 小学校への導入には県としての判断とは別に自治体としての了承が必要となり、導入に時間がかかることが予想されることから、小学校から導入するという当初の方針を変更し、県が直接判断できる高校への2024年度一斉導入を目指す。そのため今年度は高校への実証実験を実施し、体力・運動能力テスト結果をこのアプリから入力して県に提出することが出来るか検証する予定である。 研究自体の遅れと計画の変更により、本研究の成果を今年度中にまとめることは難しい。そのため、研究期間の延長を視野に入れて研究を進める予定である。
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