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保護者を運動指導者にする親育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K11501
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59030:体育および身体教育学関連
研究機関宮崎大学

研究代表者

三輪 佳見  宮崎大学, 大学院教育学研究科, 教授 (00182064)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード運動指導 / 幼児期の運動発達 / 保護者教育 / 親子
研究開始時の研究の概要

はじめは面白く楽しいと感じられる運動でも、幼少の子どもは飽きっぽく集中力は長続きしない。運動を継続する動機となるのは、「できた」という体験を起点とし、さらに「できそうだ」「できるかもしれない」と新たな動きの感じを身体で味わいたいという意欲である。一方で、現代の子どもたちには仲間・空間・時間の不足という三間の問題が指摘されている。したがって、子ども同士の遊びのなかで、学習という自覚なしに運動を身につけられる機会は少ない。このような状況において、子どもと長く触れ合うのは保護者である。そこで本研究は、保護者を運動指導者として養成するプログラムを開発し、子どもの体力問題の解決に寄与する。

研究実績の概要

前年度から引き続き、年長児親子を対象とした運動指導によって実践的に研究を進めた。今年度参加してくれた保護者に、まず自身の子どもの運動発達に関する把握状況を質問した結果、これまでの対象者同様に、走り始めた、跳び始めた、投げ始めたのが何歳何ヶ月ごろかということを明確には把握していないことが確認できた。なかでも「走ること」は、「歩き始めと走り始めがほぼ同じ」と答えた保護者もいた。もともと「歩くこと」と「走ること」のあいだに明確な境界線を引くことは困難であり、子どもが歩いて移動しているなかで速く歩くこともあり、そのような動きが走るのと区別されないまま「走った」と解釈したと考えられる。それに対して、「跳ぶこと」については跳び下りること、「投げること」についてはボール遊びというように物理的な変化が明確で、保護者にとっても実施したことが目に留まりやすい。
しかし、どういう動きかたで実施していたのかは覚えていない。ましてや立って歩けるようになった後、子どもの走ることや跳ぶこと、さらに走って跳ぶことなどの動きがどのように発達し変わっていくかという知識を保護者は持ち合わせていない。
そこで、保護者に指導すべき運動について構造的観点から説明した。それによって、子どもにとって運動のどこに難しさがあるのか、どのような動きかたを学習目標にすべきか、その動きかたを習得するためにはどのような方法が考えられるか理解してもらった。
以上のような手順を踏むと、保護者の子どもとのかかわり方が変容することが明らかになり、その実践の成果を査読付きの論文にまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

子どもの運動指導に必要な運動生活史に関する理解や子どもの動きを共感的に観察する能力が欠けている保護者でも、運動を構造的に理解すれば、ある程度指導できるようになることを例証し査読付き論文としてまとめることができた。
空間・時間・仲間のいわゆる「三間」の環境条件に恵まれていないと言われている現代の子どもたちに、健やかな運動発達を促すには保護者の関わりが欠かせない。しかし、単に子どもを励ますだけであれば運動の習得にはつながらない。どのように関わればよいか運動学の理論に基づいた実践例の知見は保護者にとって有効であるといえる。
以上のことから、おおむね順調に進んでいると判断した。

今後の研究の推進方策

これまでの長年にわたって行ってきた指導実践を振り返り、昨年度論文にまとめた以外の指導実践例を取り上げ、保護者が子どもの運動の相手をするときに、子どもの運動習得を支援できるような情報をまとめる。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] バドミントンのオーバーヘッドストロークの系統的指導2024

    • 著者名/発表者名
      三輪佳見,佐々敬政,宇土昌志,志々目由理江,山本 亮,黒木敬博,佐藤穂乃香,倉掛啓輔,寳田光貴,日髙正博
    • 雑誌名

      宮崎大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要

      巻: 32 ページ: 55-68

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 保護者を運動指導者として育てる試み2023

    • 著者名/発表者名
      三輪佳見
    • 雑誌名

      伝承

      巻: 23 ページ: 17-30

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 子どもの運動感覚世界に寄り添う運動指導2023

    • 著者名/発表者名
      三輪佳見
    • 雑誌名

      体育授業研究

      巻: 26 ページ: 52-55

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 幼小中連携によるバドミントンの系統的カリキュラム開発2023

    • 著者名/発表者名
      三輪 佳見・佐々 敬政・宇土 昌志・志々目 由理江・山本 亮・黒木 敬博・片山 いずみ・倉掛 啓輔・倉吉 将史・日髙 正博
    • 雑誌名

      宮崎大学教育学部附属教育協働開発センター研究紀要

      巻: 31 ページ: 97-110

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 子どもに運動を教えるって難しい2022

    • 著者名/発表者名
      為末 大・三輪 佳見
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 70(12)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 子どもの運動感覚世界に寄り添う運動指導2022

    • 著者名/発表者名
      三輪 佳見
    • 学会等名
      体育授業研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] ぼくたちには「体育」がこう見える2024

    • 著者名/発表者名
      為末大、伊藤亜紗、齋藤孝、佐藤可士和、松田恵示、野井真吾、安藤寿康、三輪佳見、末永幸歩、明和政子、森田真生、川上浩司
    • 総ページ数
      229
    • 出版者
      大修館書店
    • ISBN
      9784469269765
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 小学校体育(運動領域)指導の手引【低学年】2023

    • 著者名/発表者名
      大庭昌昭、杉森弘幸、鈴木聡、高田彬成、寺山由美、日野克博、細越淳二、水島宏一、三田部勇、三輪佳見、村瀬浩二、山口孝治、安江美保、吉永武史
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      東洋館出版社
    • ISBN
      9784491053608
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 小学校体育(運動領域)指導の手引【中学年】2023

    • 著者名/発表者名
      大庭昌昭、杉森弘幸、鈴木聡、高田彬成、寺山由美、日野克博、細越淳二、水島宏一、三田部勇、三輪佳見、村瀬浩二、山口孝治、安江美保、吉永武史
    • 総ページ数
      194
    • 出版者
      東洋館出版社
    • ISBN
      9784491053615
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 小学校体育(運動領域)指導の手引【高学年】2023

    • 著者名/発表者名
      大庭昌昭、杉森弘幸、鈴木聡、高田彬成、寺山由美、日野克博、細越淳二、水島宏一、三田部勇、三輪佳見、村瀬浩二、山口孝治、安江美保、吉永武史
    • 総ページ数
      184
    • 出版者
      東洋館出版社
    • ISBN
      9784491053622
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「先生、どうやったらできるの?」と聞かれたときに読む本2022

    • 著者名/発表者名
      三輪 佳見
    • 総ページ数
      157
    • 出版者
      大修館書店
    • ISBN
      9784469269291
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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