研究課題/領域番号 |
21K11514
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
|
研究機関 | 山形県立米沢女子短期大学 |
研究代表者 |
比留間 浩介 山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 准教授 (60588440)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | バイオメカニクス / 性差 / 発育発達 / 小学生 / 腕振り動作 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの生物学的な特徴が主な原因によるパフォーマンスの男女差が存在すると考えられているが,疾走動作の性差については,体力的な観点も含めて検討するべき課題が多く残されている.これまでは男子を対象とした短距離走の研究データが多数を占め,男子の研究で得られた結果は,指導現場に有益な知見を提供してきたが,これらの知見が女子にも当てはまるか否かについては疑問が残る.そこで,本研究では,短距離走動作における性差についてバイオメカニクスの観点および体力的な観点から明らかにし,性差が拡大する第二次性徴期以降の女子に特化した短距離走の指導ポイントや学習方法の必要性について検討する.
|
研究実績の概要 |
R5年度は,思春期の陸上競技選手におけるスプリント動作の3次元的な特徴と性差について検討を行った.対象者は,中学校の陸上競技部に所属し,短距離または跳躍種目に取り組んでいる男子8名,女子8名であった.対象者には,十分なウォーミングアップを行わせた後,全天候型走路における 60 m の全力疾走を2回行わせた. 各試技は,右側方と正面に設置した2台のハイスピードカメラを用いてそれぞれの動作について 3 次元撮影を行い,バイオメカニクス的な分析を行った. その結果,下肢の動作における男女の特徴的な相違点として,女子は男子と比べて膝関節伸展角速度および足関節伸展角速度が有意に大きく,脚全体のスイング速度が有意に小さかったことが挙げられた.この結果は,成人短距離選手(伊藤・石川,2000)や一般高校生(加藤・宮丸,2006)を対象に疾走動作の性差を明らかにした先行研究と同様であった.体幹の動作については,肩角度,角速度および捻転角度,角速度に明確な性差が認められ,女子は男子よりも,スプリント能力を高めるために,有効ではないと指摘されている体幹の捩れが大きい動作(Tellez et al., 2020)となっていた.また,女子は男子と比べて,ピッチが小さく,ストライド身長比が大きかった.この点について,ピッチ,ストライド身長比と体幹キネマティクスデータの相関係数を算出したところ,女子のピッチと最大捻転角度との間に有意な負の相関関係,ストライド身長比と最大捻転角度との間に有意な正の相関関係が認められた.加えて,腕振り動作については,男子は,後方に振った際に前腕が地面と垂直に近い形になるのに対し,女子は,より平行に近い形になり,いわゆる「横振り」になることが明らかになった. 以上のことから,思春期の疾走動作には,明確な性差が認められることが示された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験や分析がある程度順調に進んだため.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,対象者の年齢の幅を広げるとともに,同程度のタイムの男性,女性の動作の比較を行う.
|