研究課題/領域番号 |
21K11523
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 公立小松大学 (2023) 奈良教育大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
高木 祐介 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (70707702)
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研究分担者 |
北 哲也 徳山工業高等専門学校, 一般科目, 准教授 (40714671)
小木曽 洋介 東亜大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40898136)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 喘息 / 環境 / 運動 / 肺機能 / 適応 / 個人差 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、全国4(場合によって5)都道県の学校にて、体育実技授業でみられる運動を想定した短時間(6分間)の運動負荷テストを四季それぞれで同時期に実施し、これまでの研究から問題テーマとされた運動誘発性喘息及び運動誘発性気道収縮に関係する種々の環境因子(「季節差」・「地域差」・「大気差」・「適応差」)が喘息体質を有する者の運動時の肺機能の変化に及ぼす影響を明らかにする。これまで行ってきた実験的手法に加え、アンケートによる疫学的手法も用いて、喘息体質を有する者の運動時の肺機能の変化と種々の環境因子の変化の因果関係を究明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、全国複数の都道府県の学校等にて、体育実技授業でみられる運動を想定した短時間の運動負荷を四季各々で実施し、研究テーマである『種々の環境因子(「季節差」・「地域差」・「大気差」・「適応差」)が喘息体質を有する者の運動時の肺機能の変化に及ぼす影響』を明らかにすることである。そのために、我々がこれまで行ってきた実験的手法に加え、前回科学研究費研究課題にて考案したアンケートによる疫学的手法を駆使して、喘息体質を有する者の運動時の肺機能の変化と種々の環境因子の変化の関連性を究明する。これらの方法論によって、依然明確化されていない「地域差」と「大気中に浮遊する物質」及び未だ検証されていない「環境適応能の違い」が喘息体質を有する者の運動時における肺機能の変化に及ぼす影響を評価する。そのことによって、全国の学校やスポーツ現場等における喘息体質を有する者の運動に対し、本邦の特徴を勘案した望ましい気象・環境条件の選択を提示できるものと期待される。 2021年度はCOVID-19による感染拡大予防のため、実験的手法を用いた調査が中止になった。このことは想定内であり、上記アンケートによる疫学的調査を5道府県にて展開した。2021年度から2022年度にかけて、本研究の目的及び仮説を検証できるアンケート調査を実施した。「適応差」及び「咳等の呼吸器症状と住環境とその経緯」に係る後ろ向きコホート研究から、北海道移住における特徴的な結果や他県の黄砂等に関するデータが得られた。調査地における居住年数等について、詳細な調査が必要になり、随時追加調査も行った。また、2022年度から2023年度にかけて、実験的手法による室内基礎実験によって、運動時の気道炎症に係る基礎的な知見を多数得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」のように、国内5道府県の四季にて展開したアンケート法による疫学的調査が完了し、本研究の土台となる基礎的実験も完了した。さらに、2023年度末には、今後の研究展開に対して、非常な利点となるアンケート用紙の開発も行った。フィールド調査としては、アンケート手法を用いた疫学的研究によって、当初予定していた結果以上の成果・知見を得られたものと考えられた。アンケート結果及び基礎的実験の結果は、最終年度である2024年度内に成果公表する(報告書作成時の段階で、既にチャレンジしている)。また、同年度内に追加のフィールド調査及び実験を行う予定である。 以上から、当研究課題における現在の進捗状況は、「おおむね順調に進展している。」と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度及び2022年度に行ったアンケート法による疫学的調査は、COVID-19による行動制限及び実験制限があった場合でもデータ収集可能な方法論として進めていた。その結果、本研究の計画当初の段階に掲げた仮説以上の成果・知見を得られる形で完了することができた。これに加え、気道炎症指標を用いた基礎的な運動負荷実験の結果も得ることができた。今後、これらのデータをもとに、疫学的知見をそろえ、研究分担者及び研究協力者だけでなく、関係する専門家とも議論を重ね、データの公表に向けて推し進めていく。また、追加のフィールド調査及び実験についても、チャンスを探索してチャレンジしていく予定である。
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