研究課題/領域番号 |
21K11565
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
|
研究機関 | 神戸親和大学 |
研究代表者 |
杉山 真人 神戸親和大学, 教育学部, 教授 (00442400)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 幼児 / 2者間の協調 / タイミング / 2者間のタイミング / 聴覚刺激 / 捕捉行為 / 視線計測 / 2者間のタイミング / 2者間の協応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,2者間で行うタイミング調節課題の遂行過程を分析することによって幼児の「協調する力」の評価を試みることを目的とし,3つの研究課題を実施する.まず研究課題1では,ターゲット(幼児)に対する捕捉行為の特徴を明らかにする.次に,研究課題2では,研究課題1と同様の課題を行うが,ターゲットであった幼児の行動も記録し,幼児同士の協応パターンの特徴を明らかにする.最後に研究課題3では,これまでの研究課題で得られたデータをもとに,タイミングや協応パターンの特徴を類型化し,どのようなパターンを持つ場合が最も2者間タイミングを発揮しやすいのかを明らかにすることによって幼児の「協調する力」の評価を試みる.
|
研究実績の概要 |
本研究課題は幼児を対象として2者間のタイミング調節課題による「協調する力」の評価を試みるものである.今年度は実験参加者となるペアを幼児同士にし,2者間の協調的な課題遂行の可能性の検証,及び可能な場合の協応パターンの特徴を明らかにすることを試みた.以下に概要を示すと,実験参加者は保育園に通う4歳児及び5歳児であり,事前に同一年齢にて二人一組のペアを構成した.実験課題は基本的には昨年同様であった.ただし,移動する際の速度について,これまでは片方の実験参加者に聴覚刺激呈示等を行い,移動速度を規制していたが,本実験では特段の指示を与えなかった.各ペアのタイミングの一致度の平均値を求めた.結果について,この平均値に基づいてタイミングの一致度の上位群と下位群に分類し次の比較を行った.移動距離では上位群と下位群に差は見出されなかった.これに対し,移動軌道のばらつき及び移動速度の変動係数では,上位群よりも下位群の方が大きくなる傾向を示した.これらのことから,下位群は到達地点へ向けて直線的な移動をしつつも空間的な変動が生じるという特徴が示されたといえる.また,上位群は下位群と比較して協調的な課題を遂行しうる可能性が示唆された. 以上の実験に加え,今年度はこれまでの実験の分析データに基づいて2者間の協応パターンを類型化し,タイミング調節過程に見る幼児の「協調する力」の評価を試みる予定であった.しかし,妥当性の高い知見を得るためには,本実験で行った幼児同士のペアにおけるデータ収集のみでは十分ではなく,成人の実験参加者同士のペアにおける実験結果を踏まえた考察が必要であると考えられた.そこで,成人同士のペアでの実験計画及び2者間の協応パターンの類型化に関する準備を慎重に進めることとなった.現在,追加実験の実施に向けた準備,類型化に関する変数や分析手法の選定等を厳密に行っている段階である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では「研究実績の概要」に記した通り,実験参加者のペアを幼児同士にし,2者間の協応パターンの特徴を明らかにすることに加え,前年度以前から蓄積しているデータ,具体的には視線パターン,頭部の変位,移動の軌道のデータを用いた協応パターンについての分析を行う予定であった.しかし,先述した成人の実験参加者同士のペアによる実験の実施を行う必要が生じたため,これらの詳細な分析を行うことができなかった.以上の理由から達成度としてはやや遅れていると判断した.一方で追加実験の準備に時間を割くことができたことから,これらを遂行することができれば当初の研究目的を達成することが可能である.
|
今後の研究の推進方策 |
成人の実験参加者同士のペアを対象とした実験データを追加で収集するとともに幼児同士のペアの実験データとの比較を行う.そして最終的には2者間の一致タイミングや協応パターンの特徴の類型化等を行い,2者間のタイミング調節の傾向を捉えることによって「協調する力」の評価を試みる予定である.
|