研究課題/領域番号 |
21K11576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 富山県立大学 (2021) |
研究代表者 |
上村 一貴 大阪公立大学, 大学院リハビリテーション学研究科, 准教授 (50735404)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 健康教育 / 介護予防 / 身体活動 / e-Health / 理学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
予防・健康増進分野でのICTの活用は、地方と都市の格差解消など様々なメリットが期待される一方で、高齢者への適用可能性や効果が明らかでない。本研究では高齢者の介護予防・フレイル対策に向けて、申請者が有効性を報告してきたアクティブラーニング型健康教育を、Web会議(オンライン)で実践することで、ICTの利点を活かしつつ、持続可能な行動変容を促す介入の実現を目指す。Web会議の活用により、対象者間の相互作用や受け入れやすさの向上が期待できる。
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研究実績の概要 |
課題①(フィージビリティスタディ)で示した実行可能性が良好であるという結果を踏まえ、課題②としてランダム化比較試験を実施した。PCを所有し、Eメールが利用可能な地域在住高齢者29名を介入群と対照群に、Webシステムを利用して層化ブロックランダム化した。介入群には、zoomを利用して週1回90分、12週間の「運動・栄養を中心とした高齢期の健康づくり」をテーマとしたアクティブラーニング型健康教育介入を行った。各学習課題(例:ウォーキングを継続する工夫を考える)について、『情報提供と学習課題提示→宿題→グループワークによる発表・共有→日常生活での実践』を一連の流れとした。対照群には、介入群と同様のテーマで週1回メールによる資料配信を行った。アウトカムとして、加速度計(ActiGraph GT3X-BT)により身体活動を7日間測定し、総活動時間と座位時間割合を算出した。また、オンラインフォームにより運動に関する行動学的スキル尺度(範囲:5-25点)を測定した。統計解析に関して、介入前後の変化量の平均差(対照群を基準)と95%信頼区間、標準化効果量(Hedges' g)を推定した 研究対象者は平均73.9歳、男性20名(69%)であり、介入群で14名(93%)、対照群で14名(100%)が介入後評価に参加した。介入群の出席率は83-100%(平均97%)であった。介入前後の変化量の群間差を算出した結果、総活動時間 (平均差[95%信頼区間]=22.0分/日[-16.8, 60.7],g=0.44)、座位時間割合 (-2.5%[-7.1, 2.1], g=0.41)、行動学的スキル尺度 (3.1[-0.2, 6.3], g=0.71)について中等度の効果を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の第2段階として、ランダム化比較試験の介入後評価が完了している。Web会議によるアクティブラーニング型健康教育の出席・リテンション率は良好であり、身体活動に中等度の効果がみられたことから、アクセスの不良な過疎地域において、対面での介入の代替手段となりうることが示唆された。これらの状況より、本研究課題は概ね計画通りに進展できており、引き続き予定された計画に沿って進行していく。
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今後の研究の推進方策 |
ランダム化比較試験の対象者のフォローアップ評価を行い、介入による身体活動への持続効果を検証する。ICTを活用したヘルスケアサービス(e-Health)による身体活動介入は、系統的レビューでリテンションが良好であると報告される一方で、効果の持続性については明らかでない。本研究課題では、介入後にフォローアップ期間を設けて、介入後にみられた差が継続するかを検証する。
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