研究課題/領域番号 |
21K11581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
福内 友子 帝京大学, 薬学部, 講師 (10389116)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | プリン体 / 尿酸値 / 高尿酸血症 / 痛風 / 魚介類 / 食事 / 栄養 / HPLC / 定量 / 一斉分析 / 食品 |
研究開始時の研究の概要 |
プリン体の存在様式は核酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、プリン塩基と様々であり、腸管での吸収、および肝臓での細胞内取り込みや代謝、あるいはサルベージ経路での再利用効率が一様ではない。本研究では、食事による尿酸値上昇へのリスクを評価するために、食品に含まれるプリン体の量とその存在様式(プリン体の質)を一斉分析により明らかにすることを目指す。プリン体はうま味でもあるため、注意すべき食品だけではなく、勧められる食品またはその調理方法など明らかにすることで、日常的な食事による痛風・高尿酸血症の予防と改善への食事指導につなげていきたい。
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研究実績の概要 |
本研究は、高尿酸血症・痛風の予防と改善のための食事指導を目的として食品中のプリン体量およびそのプリン組成について測定し、疫学調査によると痛風の発症または尿酸値上昇のリスクを上昇させる食品として報告されているものの、プリン体の“量”だけでは理解しがたい食品について、定量的に評価していくことである。 研究室で測定したプリン体量を随時登録してホームページにて公開しているプリン体値計算プログラムを活用し、常食、糖尿病食、心臓病食などの病態ごとに最適なエネルギー摂取とPFCバランスが調った病院食28日分を計算した昨年度の報告を基に、本年度は献立とプリン体、高尿酸血症・痛風のリスクとの関連性について詳細に検証した。特に魚の摂取は、動脈硬化や内臓肥満型肥満のリスクを低下させるなど、健康に有益な点も多く、総合的な観点から判断する必要があることから、魚介類をプリン体の質や多価不飽和脂肪酸の量などの観点から解析した。貝類については未測定の食材も多く、総プリン体および分子種別プリン体定量も実施した。同時に、1980年代に測定された魚介類のプリン体含有量が現在の測定法による測定値と相違があることが確認されたため、再測定して実態に即した値を新たに公表することを目指した。 昨年度納豆のプリン体量は原材料の大豆や黒豆と同程度であることを報告したが、本年度さらに検討を重ね、プリン体の質はその原材料と異なり、腸管吸収されやすいヌクレオシドの分子種が主であることを明らかにした。また納豆摂取習慣による尿代謝への影響を明らかにするために、クリニックの管理栄養士と共同で痛風患者における納豆を食する習慣と血清尿酸値および尿酸排泄量の関連について検討を進めた。 測定結果は、痛風・高尿酸血症の患者や尿酸値が気になる方に向けて、ホームページにてプリン体値や献立メニューなどの情報を発信するための準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最新の食品のプリン体量について、論文および学会にて発表するとともに、最新の知見に基づく情報について学会シンポジウムなどを通して発信することで、高尿酸血症・痛風の予防と改善のための食事指導に貢献できたものと考えられる。一方で、魚介類のプリン体含有量の測定では、旬に合わせて食材を測定したこと、1980年代に測定し公表していた魚類のプリン体量が現在の食材と相違があることが確認され、再測定したことから想定以上に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、未測定の食品のプリン体含有量および分子種別プリン体量を測定し、魚介類の摂取と高尿酸血症・痛風のリスクとの関連性について明らかにする。本研究課の研究成果については早急取りまとめて発表すると同時に、痛風・高尿酸血症の患者や尿酸値が気になる一般の方に向けても、ホームページにて情報を発信する。
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