研究課題/領域番号 |
21K11589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 大阪成蹊短期大学 |
研究代表者 |
橋本 弘子 大阪成蹊短期大学, 栄養学科, 教授 (80360262)
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研究分担者 |
谷口 信子 大阪成蹊短期大学, 栄養学科, 教授 (60290251)
松野 陽 大阪成蹊短期大学, 調理・製菓学科, 教授 (30510135)
瀬川 悠紀子 大阪成蹊短期大学, 調理・製菓学科, 講師 (20880826)
栗原 伸公 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (10234569)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 高齢者 / タブレット端末 / 栄養素摂取量 / 咀嚼回数 / 栄養状態 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに高齢者は咀嚼回数と栄養素摂取が関連していることを見出している。 また、地域高齢者の約30%がうつのスクリーニング検査で陽性と判定され、うつ病と判定される高齢者はそれ以外の人と比べて介護保険の申請に至る可能性が2倍高いことが報告されており、うつ傾向を早期に発見することが課題となっている。近年の新型コロナウィルス感染症によるストレスは計り知れない。うつ傾向と咀嚼回数に関連性を見出せば、日常の食生活を観察することでうつを早期に発見できる可能性があると考えられる。 本研究は、高齢者における食事の咀嚼回数を観察することが、うつ傾向の早期発見の方法としての可能性について検討する。
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研究実績の概要 |
高齢者は食欲が低下し低栄養状態に陥ることが知られているが、その原因として歯の喪失や義歯によって咀嚼することが困難になること、咀嚼筋力が低下することによって咀嚼しにくくなることがあげられている。しかしながら、これまでの研究により歯の健康にも問題がなく、味も感じる。健康状態に問題がなく薬も服用していないのに、「なんとなく食べたくないことが多くなった」という高齢者が多いことがわかった。また、咀嚼回数とタンパク質、野菜の摂取量と関連がみられている。なんとなく食べたくない」と感じる時の食事では、咀嚼回数の減少がみられる。また、「なんとなく食べたくない」という思いが何もしたくない状況へとつながり、うつ状態となるきっかけの1つになるのではないかと考えられる。特に近年の新型コロナウィルス感染症による外出自粛や長期にわたる報道が高齢者に与えるストレスは計り知れない。うつは高齢者にみられる精神症状の中で最も頻度が高い症状である。うつ傾向を早期に発見することが課題となっている。また、世界的にも高齢者のうつは、女性では健康損失の10位に入る疾患であり(THE LANCET:2015.9)、高齢者の健康に関する重要な課題となっている。 高齢者が自宅でタブレットを用いて食事をする際の咀嚼回数を観察するとともに、アンケートによるうつ傾向に関連性を見出せば、栄養素摂取量の低下を早期に発見できる可能性があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度より、大阪府大阪市東淀川区相川地区の老人会と健康教室の開催について検討していたが、コロナ感染症への配慮から、高齢者からの開催の許可が得られず、コロナ感染症が第5類感染症に移行した後の2023年9月にタブレットに関する健康教室への説明と視聴、事前アンケートを実施することができたため、研究計画が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年9月に高齢者を対象とした健康教室を開催し、食物摂取頻度調査、歯の健康に関するアンケート、自記式のうつ病スクリーニング質問紙、ICT機器の利用に関するアンケート、タブレットの使用方法の解説を行い、「タンパク質を簡単に摂れる料理」を実演しつつ、タブレットで動画の視聴を行った。2024年度8月はタブレットによるアンケートへの回答と、オンラインで自分自身を撮影しながら食事する方法を体験し、タブレットを持ち帰り自宅からのオンライン健康教室への参加を促し、後日、オンラインでの健康教室を開催しアンケート調査および咀嚼回数を計測し、タブレット端末を用いた栄養素摂取量の評価について検討を行う。
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