研究課題/領域番号 |
21K11594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2022-2023) 徳島大学 (2021) |
研究代表者 |
金子 一郎 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (40389515)
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研究分担者 |
塩崎 雄治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70908748)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | FGF19 / 健康寿命 / サルコペニア |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアとは「老化に伴う筋力低下および骨格筋量の減少」を意味し、加齢だけでなく、癌や消化器疾患、慢性腎臓病などの重症化に伴い発症しやすい。高齢者では、骨格筋代謝機能の低下が転倒や虚弱(フレイル)の密接に関与し、要介護を回避するために早期からの予防が不可欠である。また基礎代謝量が低下することによる生活習慣病への移行も懸念される。サルコペニア予防は、医療費削減、介護予防、労働意欲向上の観点からも極めて重要であり、超高齢化社会に対応できるよう早急に解決すべき喫緊の課題である。本研究では、小腸での食事誘導FGF19産生・分泌を促進することによるサルコペニア予防を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、小腸での食事誘導FGF19産生を促進することによるサルコペニア予防を目指した。核内受容体結合領域を含むFGF19のプロモーターをレポーターベクターにクローニングし、高感度のスクリーニング法を立ち上げた。まず、核内受容体リガンドでの試験を行ったところFGF19プロモーター活性の増加を示す化合物をいくつか同定した。それらの化合物はヒト腸管培養細胞において、FGF19発現を有意に増加させることを確認した。さらにFGF19誘導化合物を野生型マウスに投与したところ、血漿FGF15濃度の上昇がみられた。Bexaroteneを食事誘導性老化筋萎縮モデルマウスに投与し筋萎縮改善効果を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢に伴う栄養障害、内分泌機能の変化、酸化ストレス、活動量の低下などがサルコペニアの原因となる。加齢によりロイシン感受性の低下が発生し、骨格筋タンパク質同化が十分にできず、サルコペニアを引き起こす要因となるが、栄養とサルコペニアの関係は十分に解明されていない。抗炎症剤や抗酸化天然物が骨格筋作用に有効である可能性も示唆されているが、小腸での吸収率が低いことや、また作用機序には不明な点が多く安全性の問題もある。本研究結果は、新規FGF19誘導因子によりサルコペニアの早期予防を目指し、科学的根拠を示した食事栄養管理に基づいて健康長寿へ大きく貢献する。
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