研究課題/領域番号 |
21K11601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
深津 佳世子 (佐々木) 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70338903)
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研究分担者 |
小林 翔 山形大学, 農学部, 准教授 (10779490)
鈴木 浩明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40344890)
中西 陽子 日本大学, 医学部, 准教授 (90366592)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | がん / 培養細胞 / 腸内細菌 / アミノ酸 / フェロトーシス / 細胞培養 / 乳がん / 肺がん / 神経芽腫 / グルタチオン / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
(1) 培養細胞を用いてBAIBAが様々ながん細胞の増殖を抑制する可能性について検討する。(2) 培養細胞を用いてBAIBAががん細胞の増殖を抑制するメカニズムについて検討する。(3)マウスを用いて食事内容と血中BAIBAの関係について解明する。(4)担がんマウスにBAIBAを投与し腫瘍に対するBAIBAの作用を検討する。(5)ヒトを対象として食事内容と血中BAIBAの関係について解明する。 本研究では、上記(1)-(5)の検討を行い、食事内容が血中BAIBAの上昇を介してがんを抑える仕組みを明示することで、標準的治療以外の新たながんの予防法・治療法を科学的根拠に基づいて提示できると考えている。
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研究実績の概要 |
ヒト乳がん細胞 (MCF-7)、ヒト肺がん細胞 (A549, HLC-1)、ヒト神経芽腫細胞 (NB69)に60μMのβアミノイソ酪酸(BAIBA)を添加したところ、A549のみBAIBAによる細胞増殖抑制効果が少なかった。A549はxCTが過剰発現していることが報告されていることから、xCTを特異的に阻害するErastinを、生存率に影響を与えない低濃度(0.5μM)で添加したA549にBAIBAを7.5μM添加したところ、生存率は57.8% (p<0.01)と有意に低下した。このことから、BAIBAのがん細胞増殖抑制作用にフェロトーシスが関わる可能性が示された。 そこで、BAIBA 7.5μM添加のMCF-7, A549, HLC-1, NB69にフェロトーシス阻害剤であるLiproxstatin-1 (Lip-1)、Ferrostatin-1 (Fer-1)、アポトーシス阻害剤であるApoIを添加し48時間培養を行ったところ、Lip-1、Fer-1、ApoIはBAIBAによるがん細胞増殖抑制効果を有意に抑制することが明らかとなった。BAIBAが誘導するがん細胞増殖抑制作用にフェロトーシスとアポトーシスが関わる可能性が示された。 さらに、どのような因子を介してフェロトーシスやアポトーシスを引き起こすのかを明らかにするために、フェロトーシスに関わるGPx4とxCTおよびアポトーシスに関わるBCL-2の発現を調べた。その結果、BAIBAを添加した96時間後の遺伝子発現は、GPx4とxCTで減少し、BCL-2は変わらなかった。また、蛍光免疫染色ではBAIBAを添加したMCF-7では添加していないものに比べてGPx4が非常に染まりにくかった。BAIBAによってがん細胞におけるたんぱく質GPx4の発現が明らかに低下し、そのことを介して細胞死が引き起こされている可能性を見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
都心の大学でのコロナ禍ではあったが、比較的順調に実験を進めることができた。2022年度は、BAIBAががん細胞に対してフェロトーシス、アポトーシスなどどのような細胞死を誘導するのかについて、阻害剤を用いた培養、遺伝子発現の検討、蛍光免疫染色など様々な手法で調べることができた。現在、国際誌への投稿段階となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらに、生体内と同じ低酸素環境での培養実験を行い、BAIBAが各種がん細胞に対して作用するメカニズムについて、生体内に近い条件下での発現の検討を行っていきたい。 また、国際誌への投稿論文でアクセプトを目指す。
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