研究課題/領域番号 |
21K11613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 九州大学 (2023) 第一薬科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
濱村 賢吾 九州大学, 薬学研究院, 講師 (30756466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エクソソーム / 神経障害性疼痛 / ホルマリン誘発性侵害刺激行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、神経障害性疼痛モデルマウスの血清由来のエクソソームに着目し、エクソソーム二重膜上の 補体C5 が種々の神経障害性疼痛モデルマウスにおいても同様に疼痛強度の悪化に関与するのかの普遍性を明らかにすることを目的とする。 最終的に、エクソソーム二重膜上に存在する疼痛強度悪化に関与する補体C5の機能を阻害することで痛みを緩和する新規治療戦略を確立し、患者のQOL改善に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
エクソソームとは、体液中に存在する直径50-150 nmの脂質二重膜の小胞である。近年、我々は坐骨神経部分結紮(PSNL)マウスの肝臓から血液中に分泌されたエクソソームの二重膜上で補体C5の発現が増加し、これが痛みを悪化させることを発見した。本研究では、他の神経障害性疼痛モデルマウスを用いて解析を行った。 本研究において、PSNL同様に神経を結紮した場合や糖尿病モデルで同様の事象が生じることを明らかにした。一方で、抗がん剤誘発末梢神経障害モデルでは補体C5の発現が減少し、これは抗がん剤による免疫抑制作用が肝臓補体C5の減少を引き起こし、血中エクソソームに反映されたものであることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクソソーム研究は、がんの診断マーカーやドラッグデリバリーシステム(DDS)の分野で盛んに行われている。我々は、初めてエクソソームと神経障害性疼痛の病態悪化とを関連付けた。従来の研究がエクソソームの内部に焦点を当てていたのに対し、本研究では二重膜上の膜タンパク質に着目し、新たなアプローチを提示した。 また、神経障害時の血清エクソソームにおける補体C5の増加は普遍的ではなく、その背後にあるメカニズムの多様性が示唆された。したがって、肝臓における補体C5の変動がエクソソームに反映される具体的な機構についてさらなる研究が必要である。これにより、疼痛管理やその他疾患の治療に新たな展望をもたらすと考える。
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