研究課題/領域番号 |
21K11615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
本橋 紀夫 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 室長 (50532727)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨格筋 / 筋萎縮 / 筋疾患 / サルコペニア / マイクロRNA / microRNA |
研究開始時の研究の概要 |
Duchenne型筋ジストロフィー (DMD)は筋萎縮及び筋力低下を呈する遺伝性筋疾患であり, エクソン・スキップ療法や遺伝子治療が期待される. 一方サルコペニアは, 加齢に加え, 不活動や摂取エネルギー不足など複合的な要因で生じる. DMDとサルコペニアは異なる病態であるが, 「筋萎縮」を治療標的とする点において共通する. 患者QOL低下を防ぐ為, 両者共に骨格筋量を維持する事が鍵となる. 本研究では予備的検討により同定したRNA結合タンパク質に着目し, 骨格筋における役割と骨格筋維持の分子メカニズムを解明する. さらに筋疾患・サルコペニアとの関連を明らかにし, 予防・治療法開発に繋げる.
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研究実績の概要 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー (DMD)は筋萎縮及び筋力低下を呈する遺伝性筋疾患であり, エクソン・スキップ療法や遺伝子治療が期待される. 一方サルコペニアは, 加齢に加え, 不活動や摂取エネルギー不足など複合的な要因で生じる. DMDとサルコペニアは異なる病態であるが, 「筋萎縮」を治療標的とする点において共通する. 患者QOL低下を防ぐ為, 両者共に 格筋量を維持する事が鍵となる.これまで, プロテオミクス解析によりDMD骨格筋で加齢と共に発現変化する新規タンパク質を同定した.これは核-細胞質間で物質輸送するRNA結合タンパク質であるが, この発現パターンからDMD病態および加齢に共通する『筋萎縮』との関連が予想された. これまでこのRNA結合タンパク質発現は脂質代謝を亢進させる事, さらにDMD・加齢骨格筋との関連する事を示した. さらに同定したRNA結合タンパク質は特定のmicroRNAs(miRNAs)と結合し, 複合体を形成することで脂質代謝を亢進する事を明らかにできた. DMD骨格筋において, RNA結合タンパク質の発現を抑制すると, 脂質代謝は低下し, 線維化領域の増大・ミトコンドリア代謝の低下および筋トルクの低下を示し, DMD病態の進行抑制にはRNA結合タンパク質を中心とする脂質代謝が大きく寄与していると考えられた. miRNA発現を制御する薬剤・化合物を網羅的に探索し, 脂質代謝を亢進させる候補物質を同定してきた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでDMD骨格筋では脂質代謝が亢進し, RNA結合タンパク質とmiRNAを介した経路が重要である事を見出してきた. 特にこの経路を抑制し脂質代謝を抑制すると, DMD病態が悪化し, 線維化領域の増大・ミトコンドリア代謝の低下および筋トルクの低下を示す事から, DMDの病態進行の抑制には脂質代謝が寄与している事が明らかとなった. 2023年度は, 脂質代謝を亢進する薬剤・化合物を同定するために, miRNA発現を標的としたスクリーニング系の構築を行なった. その結果, miRNA発現を制御する複数の候補薬剤・化合物を見出した. それらは筋芽細胞においてmiRNA発現を上昇させ, さらに脂質代謝が亢進する事を確認した. 一方で、同定した薬剤の効果を動物モデルで検証できなかった. 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界規模の輸送混雑などの影響により、使用予定の研究材料の発注が滞っていたため、研究の進捗が若干遅延している. 本年度は主にマウスを用いた薬剤投与実験を行う予定であるが、必要とする薬剤・試薬等の準備がほぼ整っているため、研究の進展が見込まれる.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果から, 筋ジストロフィー骨格筋ではRNA結合タンパク質とmiRNAは複合体を形成して脂質代謝を亢進させ, 病態進行を抑制している事が明らかとなった. これまでmiRNAを標的としたスクリーニング系を構築し, 脂質代謝を亢進する薬剤・化合物を同定してきた. 今後はこれら化合物が, DMDの病態改善に有効であるか否かを, 動物モデルを用いて検討する.同時に, サルコペニアを含む筋萎縮モデルに対しても有効性を検証する.
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