研究課題/領域番号 |
21K11620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 千恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (50589786)
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研究分担者 |
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
渡邊 一久 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00837320)
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
室谷 健太 久留米大学, 付置研究所, 教授 (10626443)
栗本 景介 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40845137)
藤原 道隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70378222)
中西 香企 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10836183)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 消化器癌手術 / 高齢者機能評価 / 自立度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,消化器癌における様々な術式の自立度への影響と複数の診療科を含む多職種横断的な介入の効果を包括的に把握し,高齢者に対する癌治療のエビデンス構築の一助となるデータを構築することを目的とする。まず,術前後の自立度の変化について調査票と血清バイオマーカー値の両面から評価する。次に,自立度が低下する患者については,老年科専門医・リハビリテーション・栄養サポートチームによる介入で機能維持を図り,ひいては,事前に自立度が低下する群を予測し,予防的介入が可能となることを見込む。
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研究実績の概要 |
これまでの研究で、術後に自立度が低下する群が存在する可能性が示唆されていた。このため本研究では、消化器癌における様々な術式の自立度への影響と複数の診療科を含む多職種横断的な介入の効果を包括的に把握し、高齢者に対する癌治療のエビデンス構築の一助となるデータを構築することを目的としている。 昨年度に、術前、退院時、術後6ヶ月に施行している高齢者機能評価(自立度)の調査を進め、約100例の症例を集積し、解析を行った。本年度、さらに詳細に解析を行ったところ、せん妄を除く術後合併症の発生、せん妄の発生、開腹手術は術後自立度の低下に影響を及ぼすことが確認できた。さらに、術前サルコペニアの存在は自立度の低下に影響を及ぼす傾向が見られた。 さらに、昨年度に開始した自立度の低下に関与するバイオマーカーの探索を継続して行った。昨年度に開始した自立度が維持された症例と低下した両群の症例の術前血清を用いて行った網羅的なたんぱく質同定および発現相対定量解析の結果から、自立度が維持される候補タンパクとして7種、低下に関与する候補タンパクとして10種類を抽出した。本年度は、網羅的解析で抽出されたタンパクのうち、自立度の維持に関与するタンパク2種、低下に関与するタンパク2種に関して、術前検体を用いて血清中の候補タンパクの発現を定量化し、手術による自立度の変化との関連の調査を開始したが、作業を終わらせることができなかった。また、術前サルコペニアの存在が自立度低下に影響を及ぼす可能性が示唆されたため、サルコペニアとの相関が報告されているタンパクの選択を行った。これについては、次年度、詳細な調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
網羅的解析による候補タンパクの抽出は順調に行い得た。しかし、手術前のサンプルを使用した候補タンパクの定量化作業に時間を要し、年度内に同作業を終了できなかった。さらに、各種学会での研究成果報告も行い得なかった。以上、全体の進捗はやや遅れている
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今後の研究の推進方策 |
手術前の高齢者ADL維持群30例、低下群16例、非高齢者34例の術前サンプルを使用して、網羅的解析で抽出した候補タンパクの発現の定量化作業を開始している。来年度中にこの作業を終了させることで、高齢者ADL低下に関与するバイオマーカーを抽出することを試みる。さらに、サルコペニアとの相関が報告されているタンパクを自立度低下の予測候補因子として測定する。
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