研究課題/領域番号 |
21K11623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松久 宗英 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (60362737)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 2型糖尿病 / 個人健康記録 / 電子健康記録 / セルフモニタリング / Personal Health Record / Electronic Heath Record / 糖尿病診療 / 糖尿病自己管理 / スマートスピーカー |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはIoT技術を用いた自己測定機器から抽出される健康データ(体重・活動量・血圧・血糖値)をPersonal Health Record(PHR)で取得・統合し、医師・医療者が作成した療養行動や病態レベルに応じたアルゴリズムをもとに人工知能が情報解析し個別化された糖尿病自己管理支援メッセージを決定する機能を開発した。本申請の目的は、開発したスマートスピーカーと連携する自己管理支援メッセージ自動アウトプットする医療用PHR『電子糖尿病ダイアリー』を活用した、糖尿病療養指導の介入が2型糖尿病患者の糖代謝状態及び行動変容に与える臨床効果を無作為化比較試験で実証する。
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研究実績の概要 |
近年、糖尿病診療においてPHR(Personal Health Record)を用いたセルフモニタリングが推奨されている。これまでにスマートスピーカーやモバイル端末を経由して支援メッセージを送信する臨床用PHRは、日本では臨床応用されていない。本研究の目的は、既開発の臨床用PHR「電子糖尿病ダイアリー」に2型糖尿病患者のセルフモニタリングを励行する自動支援メッセージ機能を追加実装し、その有用性を検証することにした。 令和3年度から4年度にかけて、徳島大学病院を通院しセルフモニタリングが必要な2型糖尿病患者を対象に介入研究を行った。対照群は、電子カルテ内の検査結果や処方情報を連携できるスマートフォンアプリケーション電子糖尿病ダイアリーを使用した(PHR群)。一方、PHR+メッセージ群は、電子糖尿病ダイアリーにセルフモニタリングを励行する支援メッセージの自動送信システムを新たに実装した。 令和3年度は、PHR群(n=10)とPHR+メッセージ群(n=11)を対象に、研究開始から中間評価まで実施した。また研究開始から中間評価までの介入期間は、PHR群は99±21日、PHR+メッセージ群は107±36日であった。 令和4年度は、介入期間中に離脱者2名を認めた。その結果、PHR群(n=9)とPHR+メッセージ群(n=10)を対象に、研究終了時の評価を実施した。また研究開始から終了時までの介入期間は、PHR群は201±45日、PHR+メッセージ群は204±44日であった。介入終了時、両群間の各自己測定率やHbA1c、収縮期血圧の変化に有意な違いを認めなかった。一方、介入終了時のBMI変化量はPHR+メッセージ群の方が有意に低値であった。支援メッセージ機能を追加した電子糖尿病ダイアリーは、2型糖尿病患者のセルフモニタリングを改善しなかったが、体重管理の有効性が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れている、研究導入前に電子糖尿病ダイアリーのGoogleとの連携やメッセージアルゴリズムに関するアプリ改修が必要な箇所が認められ、令和3年度の介入開始時期が遅れることとなった。そのため、徳島大学病院通院患者(21名)での実施となった。 一方で、体重管理に関する有用性を認めたことから、電子糖尿病ダイアリーの社会実装への展開が期待された。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はこれまでに得たランダム化比較試験の結果をもとに、有用性と課題を明らかにし、研究結果をまとめ、論文作成を行う。また、介入期間中の機器トラブル等について対象者へ聞き取りを行い、利用性について調査する。また、機器接続を行った医療者へ聞き取りを行い、機器トラブルの対応策をまとめる。
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