研究課題/領域番号 |
21K11627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
谷内 洋子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30642821)
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研究分担者 |
藤原 和哉 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (10779341)
森川 咲子 徳島文理大学, 人間生活学部, 講師 (20811300)
曽根 博仁 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30312846)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 若年女性のやせ / 妊婦 / 低出生体重児 / 妊娠中の体重増加量 / ヘモグロビン値 / 平均赤血球容積 / 妊産婦 / 体重増加 / やせ願望 / 若年女性 / やせ |
研究開始時の研究の概要 |
肥満が世界的に社会問題化している一方、近年のわが国では、妊婦をも巻き込んで痩身化が進んでおり、女性本人に加え、次世代にも及ぶ健康障害の影響が問題となっている。 本研究では、妊産婦を含む日本人健常若年女性を対象に、「やせ」および「やせ願望」に影響を与える要因を解明し、具体的かつ有効な「やせ」予防策を創出することを目的に、栄養学・医学・統計疫学など関連分野を学際融合した4つのプロジェクトを推進する。これにより次世代を含む国民の健康と生活の質(QOL)向上に貢献し、行き過ぎた「やせ」に対する保健指導や「やせ」予防のための食育に役立つ、科学的エビデンスの確立を目指す。
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研究実績の概要 |
肥満が世界的に社会問題化している一方、近年のわが国では妊婦を含む若年女性の痩身化が進んでおり、特にやせた状態で妊娠した場合、低出生体重児の出産リスクが高まることが指摘されている。低出生体重児は長期的な健康障害リスクとなることが明らかになっている状況下において、低出生体重児出産の予防策の確立するとともに、若年女性の栄養問題を明らかにすることは、女性本人と次世代の将来の疾病発症予防の観点からも重要と考えられる。低出生体重児は、実に多彩な背景因子の関与が考えられており、新生児医療の進歩や早産・多胎妊娠の増加が主な要因として指摘されているが、日本においては単胎の低出生体重児に限っても、その割合は高めの状態が続いている。このような背景を踏まえて、2021年3月に妊娠中の体重増加量の目安が改訂され、増加量の目安は以前の推奨量より多くなったが、現状では妊娠中の適切な栄養量に関するエビデンスは十分ではない。 そこで本研究では、実際に日本人妊婦の栄養摂取量のデータを集め、妊娠前体格や妊娠中の体重増加量、耐糖能と児の出生体重の実態を明らかにするべく、解析に着手している。体重増加量の目安は、早産、低出生体重児、巨大児など周産期に発生するイベントリスクを最小限に抑制するための目安として日本産婦人科学会から公表され、厚生労働省もこの数値を採用して「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」に掲載されているが、この改定により巨大児や妊娠糖尿病の増加も懸念されている。本研究において、妊娠前体格が普通に該当する妊婦で体重増加推奨量を遵守した群は、推奨量を下回った群に比し、妊娠中期耐糖能異常発症割合が有意に低かった。この結果は、令和6年度の日本栄養・食糧学会、日本臨床栄養学会において、口頭発表およびシンポジウムにて登壇して発表することが決定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、プレコンセプションケアをテーマに関連学会において、シンポジストとして登壇する機会が複数あり、国際学会での発表など、研究成果の還元と専門家を含む国民への啓蒙活動にも取り組むことができた。その一方で、各調査データ(身体計測値や臨床検査値、食事調査結果など)を統合したデータベース化に想定以上に時間を要してしまった側面があった。 令和5年度中に遅れていたデータベースの整備が完了したことから、最終年度である来年度においては、研究の集大成として、女性特有の妊娠、出産というライフサイクルチェーンを加味した集学的なやせの健康教育プログラム作成に着手、完成に向けて力を尽くしたい。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度中に、各調査データ(身体計測値や臨床検査値、食事調査結果など)を統合したデータベース化が完了したことから、2023年度までに国内外で発表した研究成果を英文論文化し、国際誌への投稿を目指す。また2024年度も国内外の学会発表を視野に、日本人若年女性の食生活の実態と妊娠転帰との関連について、検討していく。
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