研究課題/領域番号 |
21K11628
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
福渡 努 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50295630)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アミノ酸 / 脳神経科学 / 代謝 / 栄養学 / 食品 / 脳・神経 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質代謝の変動がアミノ酸代謝におよぼす影響,それに伴う脳機能調節におよぼす影響を明らかにすることを目的とする.異化代謝亢進モデル動物,腸疾患モデル動物,腸内細菌叢の変化時において,アミノ酸代謝変動のプロファイルと神経伝達調節因子キヌレン酸の変動について調べる.さらに,食餌によって脳内のキヌレン酸変動を制御することにより,高次脳機能におよぼす影響を評価する.食環境の改善によって穏やかに且つ適度な範囲内で脳内の代謝調節を行うことにより,高次脳機能低下の予防・軽減につながることが期待される.
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研究実績の概要 |
トリプトファン代謝産物キヌレン酸が脳内で増加すると,神経伝達物質の放出抑制を介して高次脳機能を低下させる.本研究では,キヌレン酸産生機構がアミノ酸代謝と関連することに着目し,末梢のアミノ酸代謝変動が脳内キヌレン酸産生を介して高次脳機能におよぼす影響を明らかにすることを目的としている.令和4年度には,令和3年度に引き続き,末梢のアミノ酸代謝変動が脳内キヌレン酸産生におよぼす影響を明らかにするため,異化代謝亢進モデル動物について検討した. エネルギー消費量増大に伴う異化代謝を亢進させるために,ラットにチロキシン含有食を与え,異化代謝の程度が軽度,中度,重度となるラットを作成した.チロキシン投与量依存的に筋委縮およびアミノ酸異化代謝が亢進した.チロキシン投与により,肝トリプトファン-NAD経路の初発酵素トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ活性が低値を示したものの,肝,腎,骨格筋におけるキヌレニン,キヌレン酸含量および尿中キヌレン酸排泄量が高値を示したことから,末梢トリプトファン代謝が亢進した.しかし,血中キヌレニン濃度は変動せず,脳キヌレニン,キヌレン酸濃度も変動しなかった.以上の結果は,末梢トリプトファン代謝が亢進したものの,肝,腎,骨格筋等の組織でキヌレニンからキヌレン酸への代謝も亢進したため,血中キヌレニン濃度の上昇が抑制され,脳内キヌレン酸産生が影響を受けなかったことを示唆する.本研究成果は,肝および骨格筋におけるトリプトファン代謝を亢進させることにより,脳キヌレン酸濃度上昇に伴う高次脳機能低下を防ぐ可能性を示している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り,異化代謝亢進モデルとして,令和3年度にデキサメタゾン,令和4年度にチロキシンを投与したラットを用い,タンパク質・アミノ酸代謝変動,脳内キヌレン酸産生におよぼす影響とその作用機序を明らかにすることができた.
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今後の研究の推進方策 |
1. タンパク質およびアミノ酸代謝変動と脳キヌレン酸産生との関係を明らかにするために,異化代謝亢進モデル動物および腸疾患モデル動物における末梢のトリプトファン代謝変動および脳内キヌレン酸産生への影響とその作用機序を明らかにする. 2. 食餌による脳内キヌレン酸産生抑制機序を明らかにするため,肝障害モデル動物にキヌレン酸産生抑制作用をもつアミノ酸を高濃度に含む食餌を与え,末梢のトリプトファン代謝および脳内キヌレン酸産生におよぼす影響について明らかにする.
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