研究課題/領域番号 |
21K11629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
福本 真也 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90381996)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | COVID-19 / コロナ禍 / 2型糖尿病 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 生活習慣病 / キサンチン酸化還元酵素 / NAFLD / MAFLD / 肝内脂肪 / 内臓脂肪 / パンデミック / CKD / 健康被害 / 社会環境 |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19の流行は、直接的な感染被害だけでなく、生活環境や経済活動等への社会的影響も甚大である。東日本大震災等の局地的大災害では、被災及びその後の避難生活が生活習慣病や心疾患の発症と悪化に強く影響を及ぼしたことが報告されており、今回のパンデミックでも、ウイルス感染による直接的健康被害に加え、生活習慣の悪化や身体的・精神的ストレス等によって健康状態が悪化することが危惧される。本研究では、総合健診/人間ドック受診者による大規模コホートの臨床情報と保存生体試料を用いて、COVID-19の大流行が生活習慣病やその他健康状態に及ぼす直接的あるいは間接的影響とその要因について検討を行う。
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研究実績の概要 |
2021年度は、被災群(パンデミック経験群)と対照群(パンデミック非経験群)のリピーターデータの回収を開始した。また、コロナウイルス感染の直接的影響を除外するため、コロナウイルスワクチン接種開始以前の症例の保存血清を用いて、新型コロナウイルス抗体測定を開始した。また、コロナ禍における精神状況の影響を検討するため、2021年度受診者に対しては、うつ・不安に対する簡易検査として頻用されるK6質問票を含むアンケート調査を行った。更に、上記コホート研究に対するデータ回収と並行して、2018-2020年受診者の関連データを用いた解析を行い、コロナ禍における特定の生活習慣の変化がmetabolic dysfunction-associated fatty liver disease (MAFLD)の発症リスクになることを見出した。 2022年度は、前年度より進めていた解析結果を共同研究として論文発表を行った。本研究に関するコロナ抗体価の測定とK6質問票を含むアンケート調査が終了し、上記コホート研究に関するフォローアップデータと併せてデータ回収を継続した。 2023年度も、被災群と対照群のリピーターデータの回収を進めたが、コロナ禍以降の健診受診者が著明に減少したため、被災群のリピーターサンプルが少なくなり、中間集計にて統計パワーが不十分であることが判明した。コロナ禍が当初想定していたよりも長期化したことを考慮し、観察期間を延長するなど計画を修正せざるを得なくなった。一方、横断研究からは、コロナ禍で増加したNAFLDに関連して、尿酸代謝と活性酸素代謝の中心的役割を担うキサンチン酸化還元酵素(XOR)が、NAFLDにより肝内で活性化され、それに関連する血中XOR活性が血清尿酸値と独立して血管内皮機能に関連することを見いだし、論文報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍以降に健診のリピーター受診者が著明に減ったため、中間解析では被災群のサンプル数が少なく統計パワーが不十分であった。そのため、研究計画に修正の必要が生じた。コロナ期が当初の想定よりも長期化したことをうけ、被災群の観察コホートを複数年に設定するか、観察期間を延長するなど計画の修正を余儀なくされ、コホート研究の進捗がやや遅れている。副課題については、一部の横断データを用いた解析結果から、コロナ禍で増加したNAFLDに関連して、尿酸代謝と活性酸素代謝の中心的役割を担うキサンチン酸化還元酵素(XOR)が肝内で活性化され、それを反映した血中XOR活性が血管内皮機能に関連することを論文報告した。横断研究については順調に計画が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、長期化したコロナ期のために、適格なリピーターデータが当初の予定よりも著明に少なくなった。サンプル数を増やすために被災群の観察コホートを複数年に設定修正し、観察期間を延長する等、当初の研究計画を修正して検討する。同時に、横断研究については引き続き解析を行っていく。
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