研究課題/領域番号 |
21K11636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
松本 直樹 帝京大学, 薬学部, 助教 (40447834)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脂質代謝 / 鉄代謝 / 神経変性疾患 / ホスホリパーゼ / 翻訳後修飾 / 機能調節 / 機能制御 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質代謝酵素であるDDHD1(細胞内型ホスホリパーゼA1の一つ)は、ある種の神経変性疾患の原因遺伝子である。しかし、その発症メカニズムの詳細はわかっていない。本研究課題では、DDHD1の機能がどのような分子機構により調節されるか明らかにする。DDHD1の機能異常がどのように脳・神経系に影響を及ぼし神経変性疾患の病態発現に導くか解明する。本研究の進展は、寿命延伸により増加する神経変性疾患の発症を予防する一つの手掛かりになると考えられる。
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研究成果の概要 |
脂質代謝酵素であるDDHD1は内因性カンナビノイドの産生酵素であり、ある特定の種類の神経変性疾患の原因遺伝子である。今回の研究では、DDHD1がリン酸化修飾を受けるタンパク質であり、そのリン酸化がDDHD1の機能を調節することを明らかにした。また、修飾酵素をいくつか同定し、その標的部位を特定した。DDHD1が鉄代謝とクロストークする新たな現象もいくつか見つけている。一例として、鉄の蓄積がDDHD1の機能低下をもたらすことを明らかにした。DDHD1の機能調節異常は脂質代謝の恒常性破綻を引き起こし、様々な神経変性疾患の発症や病態の増悪につながると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会の到来により、神経変性疾患を含む加齢関連疾患はますます増加の途をたどっている。本研究は、神経変性疾患の病態発現に関わる脂質代謝酵素の新しい機能制御機構を明らかにした。また、この脂質代謝酵素が鉄代謝とクロストークすることを初めて示した。脂質や鉄の代謝異常に着目して、神経変性疾患などの病態発症メカニズムの一端を理解することは、治療や発症予防の対策を講じる上で、極めて有用な情報・知識の集積をもたらす。究極的には健康寿命の延伸につながり、医療費の削減に貢献することが期待できる。
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