研究課題/領域番号 |
21K11646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 四国大学 (2022) 徳島大学 (2021) |
研究代表者 |
近久 幸子 四国大学, 生活科学部, 准教授 (00452649)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 睡眠 / 代謝 / 運動 / Hmgcs2 / 睡眠不足 / 行動異常 / ケトン体 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性的な睡眠不足は攻撃性の増大やうつ病など情動行動異常を引き起こす。しかしそのメカニズムは不明な点が多く、分子レベルでの研究はほとんどない。この分子機序を理解することは、睡眠不足に伴う行動異常の根本治療や予防法の確立のために必須である。 我々はこれまでに、睡眠不足の脳内ではケトン体産生が増加することを見出している。本研究では、慢性的な睡眠不足が引き起こす行動異常の分子機序を脳内ケトン体代謝との関連から解明することを目指した研究を実施し、慢性的な睡眠不足に陥った際、いかにして行動異常が惹起されるリスクを軽減できるかについての知見を得る。
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研究実績の概要 |
現在までに、①運動負荷を伴う断眠による睡眠リバウンドにおける、アストロサイトHmgcs2の役割、②ハンドリングによる断眠後の睡眠リバウンドにおけるアストロサイトHmgcs2の役割、③運動負荷を伴う断眠による睡眠リバウンドにおける、肝臓Hmgcs2の役割、④ハンドリングによる断眠後の睡眠リバウンドにおける肝臓Hmgcs2の役割の4点において、siRNAを用いた脳内および肝臓Hmgcs2ノックダウンによるマウスを用いて検討を行った。 現在までの実験で得られた結果は以下の通りである。①運動負荷を伴う断眠による睡眠リバウンドは、アストロサイトのHmgcs2のノックダウンでは変化が認められなかった。②ハンドリングによる断眠後は脳内のHmgcs2 mRNAの発現が増大するが、本実験で行ったsiRNAの脳室内投与では6時間断眠後のHmgcs2の上昇を抑えきれなかった。短時間(3時間)の断眠では、siRNAの脳室内投与によりHmgcs2の上昇は抑えられ、断眠後の睡眠リバウンドも減弱した。③運動負荷を伴う断眠による睡眠リバウンドは、肝臓のHmgcs2のノックダウンで減弱した。④ハンドリングによる断眠後の睡眠リバウンドは、肝臓Hmgcs2ノックダウンでは変化が認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに、野生型マウスを用いたsiRNA投与による睡眠記録は、脳内投与および末梢投与ともに、ほぼ順調に実験が進んでいる。しかし、アストロサイト特異的Hmgcs2過剰発現マウスの繁殖がうまくいかない時期がある、このマウスを用いた睡眠記録および行動解析、メカニズム解析などの実験系にやや遅れが生じている。また、研究代表者が8週間の産休を取得したため、実験に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者は産休から既に復帰しているので、引き続き研究を進めていく。Hmgcs2過剰発現マウスの繁殖法を見直すことで、実験に使用できるマウスの安定供給に努める。昨年度に引き続き、アストロサイト特異的Hmgcs2過剰発現マウスの睡眠変化や行動変化に関して、免疫組織化学染色による組織学的解析やウェスタンブロットによるタンパク解析、リアルタイムRT-PCRによる遺伝子解析などにより、分子メカニズムを詳細に検討する。
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