研究課題/領域番号 |
21K11652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 北翔大学 |
研究代表者 |
沖田 孝一 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (80382539)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 肥満パラドクス / 体格指数 / 身体組成 / 身体機能 / 健康寿命 / 生活習慣病 / サルコペニア / フレイル / 肥満 / 骨格筋 |
研究開始時の研究の概要 |
体格指数に関わる詳細な形態学的体組成の評価として、骨格筋量、骨量および脂肪 量を計測し、さらに機能的な体組成指標の評価として、それらの臓器に関連したマイオカイン(骨格筋由来生理活性物質)、オステオカイン(骨由来生理活性物質)およびアディポカイン(脂肪由来生理活性物質)を測定し、その量・比率と心血管疾患リスク、体力指標、サルコペニア・フレイル度、各調査法からの身体・精神機能・自立性および生命予後に関わる主要な指標との関連を調べ、その結果から、慢性疾患者および高齢者の適切な評価と管理・介入に関する提言をする。
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研究成果の概要 |
肥満が生活習慣病や心疾患の危険因子であるにも関わらず、慢性疾患や高齢者において、体格指数が高く肥満とみなされる者の生存率が高く、痩身者の生存率が低い「肥満パラドクス」には、体格を構成する骨格筋および骨の影響が内在しているとの仮説を立て本研究を行った。体組成分析および筋・骨由来生理活性物質の測定を行い詳細に検討したが、筋・骨の量的・質的指標は生命予後に関わる身体的および精神的健康指標との明確な関連性を示さなかった。予想に反するこの知見を国内および国際学会(米国スポーツ医学会2023)にて発表し、国内学術雑誌(日本臨床運動療法学会誌2024年)に掲載することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果は肥満パラドクスに疑義を呈するものである。肥満パラドクスは「一人歩き」し、高齢者は肥満の方が良いとの曖昧な情報が流布しているように思える。しかしながら、肥満は多くの疾患の原因となり生命予後を悪化させることは明白であり(Abdelaal M 2017)、35才以上のコホート研究では、肥満の程度と相応して死亡率が増加する(Sasazuki S 2011)。これらの研究の決定的な相異は対象者の年齢である。高齢者や疾患者の研究では既に死亡した肥満者が含まれず、生命力が強い高齢肥満者が高い生存率を示すことがその原因であるように思える。本成果は、肥満に対する正しい認識を考え直す契機になると考える。
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