研究課題/領域番号 |
21K11660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 松本大学 |
研究代表者 |
山田 一哉 松本大学, 大学院 健康科学研究科, 教授 (20263238)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SHARPファミリー / 遺伝子発現 / 筋管細胞 / Forskolin / cAMP / 糖新生 / PEPCK / SHARP / 時計遺伝子 / 血糖調節 / ホルモン / 臓器連関 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「血糖調節や健康の維持・増進における SHARP family 時計遺伝子の働きと臓器連関」について検討するために、インスリン感受性組織(肝臓・筋肉・脂肪組織)やその培養細胞系であるラット H4IIE 肝細胞、マウス C2C12筋管細胞ならびにマウス 3T3-L1脂肪細胞を用いて、cAMP やホルモンによる SHARP family 遺伝子の発現調節機構、絶食/摂食状態でアドレナリン投与や走運動させたマウスや各種の食品成分を摂食させた正常および糖尿病マウスの各組織での SHARP family 遺伝子の発現について解析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、C2C12筋管細胞において、SHARPファミリー遺伝子の発現がどのように制御されているのかについて検討した。 はじめに、cAMPシグナル系のシグナル伝達分子の1つであるアデニル酸シクラーゼの活性化剤であるForskolilnでC2C12筋管細胞を処理した。その結果、様々な濃度のForskolin で処理したところ、1, 2 時間でSHARP-1 mRNA 量に変動はみられなかったが、SHARP-2 mRNA 量は両時間帯で濃度依存的変化が認められた。筋肉でcAMPシグナル系による発現上昇が報告されているPGC-1α mRNA量は、2時間でのみ濃度依存的発現上昇がみられた。次に、50 uM Forskolin 処理による経時的変化を検討したところ、SHARP-1 mRNA 量には変動がみられなかったが、SHARP-2 mRNA 量は処理後30分と早期に上昇が見られ、1時間でピークに達し、3時間まで維持された。一方、PGC-1α mRNA量は、2-3時間で発現上昇が見られた。したがって、C2C12筋管細胞では、Forskolin処理により、SHARP-2 mRNA 量のみが上昇すること、および、この上昇は、PGC-1α mRNA量の上昇に先行していることが明らかになった。 次に、これらの発現調節が実際にアデニル酸シクラーゼの反応産物である cAMP によるものかどうかを検討するために、C2C12筋管細胞を8-Br-cAMPで処理した。その結果、Forskolin の場合と同様、C2C12筋管細胞では、8-Br-cAMP処理により、SHARP-2 mRNA 量のみが上昇すること、および、この上昇は、PGC-1α mRNA量の上昇に先行していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、大学が2ヶ月間ロックアウトされ、学生が登校できなくなった。ちょうどロックアウトされた期間は、学部生に実験技術を教える時期と重なったため、研究の立ち上がりが遅くなってしまった、加えて、院生2名が修了したが、新しく院生が入学しなかったため、どうしても実験技術が確立した人手が不足してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、前年度の脂肪細胞での解析をさらに深めるとともに、筋管細胞での遺伝子発現制御のメカニズムの解明に取り組む。また、どうしても実験技術が確立した人手が足りないため、動物実験については見送り、培養細胞における研究の深化に集中する予定である。
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