研究課題/領域番号 |
21K11667
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小川 晋 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (20323016)
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研究分担者 |
本橋 ほづみ 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (00282351)
西山 成 香川大学, 医学部, 教授 (10325334)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 酸化ストレス / Nrf2 / 腎糖新生 / 乳酸 / グルタミン / phosphoenolpyruvic acid / G-6-P / PEPCK |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病モデルラットを用いて高血糖状態における腎酸化ストレスの増大と腎糖新生の増大の関連を明らかにし、酸化ストレス増大によりNrf2が起動することでグルタミンからの糖新生が抑制されグルタミンからの乳酸合成が亢進するが、この乳酸からの糖新生も抑制され腎糖新生が制御されることを検証する。
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研究実績の概要 |
SD ratを①正常群、②STZ糖尿病群、③STZ糖尿病+tempol(酸化ストレス抑制剤)群、④STZ糖尿病+BM: bardoxolone methyl (Nrf2 activator)群、 ⑤STZ糖尿病+Halo: halofuginone (Nrf2 inhibitor)群の5群に分け、腎動脈、腎静脈での血糖変化と腎臓内の糖新生関連物質を測定した。ブドウ糖の腎動脈・静脈比(腎静脈(腎臓から出てきた血液) / 腎動脈(腎臓に入っていった血液))を比較した。結果、②では①に比較して動静脈比は上昇したが、③④では①と同じレベルに下がっていた。また⑤では②と同じレベルに上昇していた。よって③④では腎での糖放出が抑制され②⑤では腎糖放出は増大していたと考えられた。腎臓内クエン酸およびリンゴ酸は③で増大し④で抑制されていた。またPEPCKは③で強く増大しphosphoenolpyruvic acidは②③④、特に④で強く抑制されていた。G-6-Pは②③で増大し(特に③)④で強く減少していた。 これらのことから酸化ストレス、Nrf2ともにPEPCKを増大させphosphoenolpyruvic acid合成を増大させると考えられるが、酸化ストレスはphosphoenolpyruvic acidからG-6-P→ブドウ糖の経路を増大させ腎糖放出を増大させていると考えられる。一方、Nrf2はphosphoenolpyruvic acidからの乳酸合成・尿酸合成を増大させることでブドウ糖合成を抑制し腎糖放出を抑制していると思われた。酸化ストレスは腎における糖新生を増大させるが、Nrf2により抑制される部分は酸化ストレスにより増大させられている場所とは異なることが判明した。Nrf2による酸化ストレス抑制作用は持続的高血糖状態では現れにくいと考えられた。
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