研究課題/領域番号 |
21K11668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山縣 憲司 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00420084)
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研究分担者 |
鈴木 英雄 筑波大学, プレシジョン・メディスン開発研究センター, 客員教授 (00400672)
内田 文彦 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70736008)
岡田 浩介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80757526)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (90241827)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | NASH / 歯周病菌 / Oral-Gut-Liver axis / Nrf2 / 遺伝子改変マウス / RNP / 歯周病 / 肝癌 / 抗酸化nano-medicine |
研究開始時の研究の概要 |
本邦では肝癌死亡者が年間約3万人に上る.近年では特に高齢者の肝癌死,また,肥満,糖尿病を随伴するNASH肝癌死の比率が増加している. NASH発症と肝発癌には腸肝相関 (Gut-Liver Axis) が存在する LPSの由来は腸内細菌由来と考えられてきたが, 最近では, 歯周病菌由来のLPSとNASHとの関連性が報告されている.抗酸化nano-medicine (RNPO)消化管内で崩壊せず腸管に高濃度に集積し, 腸管内でLPS と会合して悪玉活性酸素種の選択的消去に役割を演じる.RNPOが 歯周病菌が引き起こすNASHと肝発癌に対して, その抑止効果を発揮することが可能であるかを検証する
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研究実績の概要 |
歯周病原細菌由来のリポ多糖(LPS)はNASHの発症進展を加速させる.Nrf2はLPSに対する貪食機能を果たすと推測される.本研究はKupffer細胞を含むmacrophageのみにNrf2を発現するmacrophage特異的Nrf2遺伝子レスキューマウス(Nrf2-mRes)を作製し,高脂肪食摂餌(HFD)とLPS投与によるNASHモデルにおける肝病変を観察した.肝病理組織では,WTは有意な変化を認めなかった.HFD + LPS群の比較では,Nrf2-KOはWTと比べ肝炎症および線維化が有意に高度であったが,Nrf2-mResでは改善していた.Nrf2-mResでは肝炎症と線維化の進行が抑止された.Kupffer細胞を含むmacrophageのNrf2は,当該NASHモデルの肝炎症と線維化の進行を抑止した.歯周病原細菌由来LPSが誘導するNASHの進展において,macrophage Nrf2は重要なNASH防御因子と考えられた. 抗酸化レドックス粒子 (RNPO) はLPSによる肝障害を軽減し,また,RNPOは活性酸素種を選択的に消去し抗酸化作用を発揮して,NASHを抑止することが判明している.現在,macrophageの貪食機能が減衰した全身Nrf2遺伝子欠損マウスに高脂肪食摂餌と歯周病菌LPS投与をおこない,Nrf2の発現低下(脆弱化)により生体の抗酸化作用が低下した個体において,慢性肝疾患における肝病態の増悪(肝炎症・線維化)の進展を抑止する生体材料であるRNPO がNASHの発症進展に対する抑止効果を発揮することが可能であるかを検証中である.
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