研究課題/領域番号 |
21K11671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石黒 創 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (10826283)
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研究分担者 |
牛木 隆志 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80579152)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SOCS3 / 高脂肪食 / GVHD / 移植片対宿主病 / 慢性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
移植片対宿主病(GVHD)は日本と欧米でその発症率に差異がある。その理由としてHLAなどの遺伝的背景以外に食生活の違いが影響している可能性が考えられる。 サイトカインシグナル伝達阻害因子(SOCS) 3ノックアウト(KO)マウスに対し高脂肪食を投与したところ、致死的経過を辿り、その経過はGVHDに類似していた。本SOCS3KOマウスに高糖質食や高たんぱく食を投与・観察することにより、GVHDへの食事の影響を明らかとすることで食事を介してGVHDの重症化を軽減することが可能となり、造血幹細胞移植成績の向上につながる知見が得られる可能性がある。
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研究成果の概要 |
サイトカインシグナル伝達阻害因子(suppressor of cytokine signaling: SOCS)3は炎症抑制因子でありSOCS3のノックアウト(KO)は炎症が増悪する。我々はGVHDと高脂肪食(HFD)の関連を解明するため、SOCS3KOマウスをドナーとしてGVHDモデルを作成し、そのマウスにHFDを投与したところ、GVHDの高度の増悪を認め生存曲線が悪化した。さらなる解析にて本マウスは血中の顆粒球の増加や炎症と関連のあるEffector Memory T細胞割合の増加が生じていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GVHDは骨髄移植後の患者の生命を脅かす重大な疾患である。今まではGVHDの発症機構においてはT細胞や抗原提示細胞の活性化などの免疫学的な異常が主に議論されていたが、本研究を通じて、GVHDの発症機構には高脂肪食やSOCS3が深く関与することが明らかになった。この研究を発展させることで、GVHDの管理に従来の薬物治療に加え、食事療法を行いmild GVHDの段階から予防するという新たな治療戦略を開発することが期待できる。さらにSOCS3をターゲットとする創薬戦略についても探索でき、学術的および社会的に深い意義があると考えられる。
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