研究課題/領域番号 |
21K11678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
八木 美佳子 九州大学, 医学研究院, 助教 (70536135)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ミトコンドリア / NAD+ / 老化 / リソソーム / NMN / HIF1α / NAD合成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は疾患治療・予防治療戦略としてNAD+前駆体であるNMNの効果について検証し、リソソーム機能改善による抗老化作用に対する新規有効性を見出すことが主目的である。NMN添加がリソソーム機能を高め、オートファジー分解促進、ミトコンドリア機能改善、最終的に寿命延長につながるという新規メカニズムを提唱し、病態モデルマウスを用いて科学的に証明していく。さらに、生体内NAD+量を増加させる新たな因子を同定することで、様々な疾患治療に貢献できると考えている。
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研究実績の概要 |
ミトコンドリアタンパク質p32心臓特異的ノックアウトマウス(p32cKO)を拡張型心筋症モデルマウスとして用い、疾病発症メカニズムの解析と予防治療の開発を目的として研究を行った。 我々の用いたp32cKOの発症メカニズムとして、ミトコンドリア翻訳機能障害からNAD合成量が低下し、それにともないリソソーム機能低下によりオートファジー分解能低下を見出した。NADは老化とともに減少することが知られており、ミトコンドリアやリソソームの機能低下にもつながる。したがってNAD量が減少したp32cKOマウスにNADの前駆体であるNMNを投与すると様々な改善効果が確認できた。まず、拡張型心筋症のマーカーが減少し病状の改善、さらに寿命延長効果もあった。その詳細なメカニズムを解析するとNMN投与によって転写因子HIF1α発現の回復、それにともないNAD合成酵素群の発現が増加しNAD合成量も増加した。次にリソソーム機能解析を行うと、リポフスチンの減少、リソソームマーカータンパク質発現の改善、さらにオートファジータンパク質発現の改善も確認できた。しかしながら、ミトコンドリア機能を調べてみるとNMN投与によってOXPHOS活性やミトコンドリア翻訳障害の改善までは確認できなかった。以上の結果より、NMN投与によってNAD量が改善しリソソーム機能が回復し、拡張型心筋症も改善し寿命が延長したと考えられる。NMNはある一定の病状改善効果はあるが根本的治療ではないためミトコンドリア機能の直接的な改善は認められなかったが、ミトコンドリア病などの治療法のない疾患に対してはある程度の改善効果が期待できると考えている。
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