研究課題/領域番号 |
21K11690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
池谷 真澄 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60644359)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 水素 / 脂質 / エンドソーム / 麻酔薬 / セボフルラン / アポトーシス / 脂質ラフト / 酸化ストレス / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
水素分子(H2)には抗酸化・抗炎症効果による疾患改善効果・予防効果があることが知られており、既に各地の施設で臨床試験を開始しているが、その作用機序は未解明である。我々は培養細胞にH2含有ガスを1時間曝露することで代謝産物や脂質構成が変化することを発見し、各種エンドソームのサイズ変化やエンドソーム輸送が変化することを見出した。そこで、本研究では細胞がH2に曝されることによって起こる脂質変化・エンドソーム変化と疾患改善効果・予防効果の分子メカニズムについて明らかにする。この研究成果により、H2の投与が最も効果的な疾患とその最適投与法を予測する為の基礎を確立する。
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研究成果の概要 |
水素分子(H2)には抗酸化・抗炎症効果があるが、その作用機序は不明な点が多い。本研究の目的は、H2の最適な投与法確立のために、作用機序を解明することにある。以前の研究で、H2が細胞内輸送に関係するエンドソームの変化を引き起こすことを示していた。今回、H2を細胞に投与すると、脂質構成や脂質ラフトの局在が変化し、脂質の拡散速度も変わることが観察された。また、動物モデルでは、麻酔薬セボフルランによる神経細胞死がH2の同時吸引で抑制され、細胞死を引き起こすシグナルや酸化ストレスの抑制が見られた。さらに、微小管関連タンパク質のリン酸化亢進が観察され、H2が細胞内輸送に影響を与えている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、H2の健康効果を解明し、医療に応用することで人々の健康と福祉を向上させることにある。特に、H2が抗酸化・抗炎症効果を持ち、脳のダメージを軽減する可能性が示されたことは、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患の予防や治療に新たな道を開くかもしれない。また、セボフルランなどの麻酔薬の副作用を減らす手段としても期待される。これにより、手術や治療の安全性が高まり、患者の負担が軽減されることが期待される。H2の適切な利用方法を確立することで、医療分野に大きな貢献ができる。
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