研究課題/領域番号 |
21K11695
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
金田 勇人 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40528212)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 老化 / 慢性炎症 / 糖質コルチコイド |
研究開始時の研究の概要 |
細胞老化による炎症性因子の分泌と慢性炎症が老化の促進因子として注目されている。しかし、慢性炎症による老化促進メカニズムは不明である。私達は幹細胞老化の誘導により腸に炎症を惹起し、老化促進作用を調べたが、慢性炎症だけでは老化様症状の誘導には至らず、耐性機構があることが示唆された。本研究では老化耐性機構を明らかにし、慢性炎症による老化促進メカニズムの解明を行う。幹細胞老化による炎症誘導系に加え、耐性機構として想定される視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)系のフィードバック異常の誘導系も新たに見出しており、これらを組み合わせて老化状態をさらに模倣したモデルを作製して解析を行う。
|
研究実績の概要 |
昨年度には、抗炎症ホルモンである糖質コルチコイドの制御系が、一般的にいわれているメカニズムが決定的ではない事を明らかにした。新規の制御遺伝子を同定するためには、in vivoでの遺伝子スクリーニング系が必要となる。そこで、レンチウイルスベクターやアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて遺伝子の機能阻害ができるかどうか検討を行っている。また、ゲノム編集技術を応用した新しい方法についても検討を行っている。 一方で、これまでの研究に基づき、幹細胞老化と関連する転写因子として同定した遺伝子のコンディショナルノックアウトマウスの作成を行ってきた。このマウスを用いて組織特異的な幹細胞老化を誘導することで、どの組織が老化への寄与が高いのかある程度調べることができると考えられる。このマウスにタモキシフェンを投与して腸管上皮幹細胞で早期に老化を誘導し、腸だけでなく様々な遠隔組織への老化様症状の誘導について確認を行った。その結果、脳における炎症マーカーIL-6や細胞老化マーカーp16Ink4aの発現誘導、皮膚のコラーゲン陽性領域の減少、腎臓のボウマン嚢の腫大や糸球体の線維化などの老化現象として知られている症状の早期誘導が観察された。同様に、皮膚の表皮幹細胞でも早期老化を誘導し、他組織への影響を調べている。腸管上皮幹細胞の場合と同様に早期老化様症状の誘導がなされている事が確認されたが、その影響には多少違いがあることも観察された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りHPA系の新規制御遺伝子の探索と機能確認を進めているだけでなく、作製した遺伝子改変マウスを用いて各組織の老化への寄与の違いについても確認できているため。
|
今後の研究の推進方策 |
in vivoスクリーニング系による解析を進めて、老化耐性機構に重要な遺伝子の探索・同定・機能解析を進める。幹細胞老化の誘導系については一度まとめて、引き続きどの組織が重要なのかを調べていく。
|