研究課題/領域番号 |
21K11705
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
小山 憲一郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (80620880)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 肥満 / マインドフルネス食観察トレーニング / MB-EAT / Hunger Rumination / 情動的摂食 / 外発的摂食 / 抑制的摂食 / 失体感症 |
研究開始時の研究の概要 |
Mindfulness Based Eating Awareness Training(MB-EAT)はKristteler(2013)によって作成されたマインドフルネスを用いた過食、肥満症の新しい治療プログラムである。本研究はMB-EATの構成要素の効果機序に関する本邦初の基礎研究である。 本研究は、マインドフルネスが実際にどのように食行動の改善および減量とその維持に影響するのかということに主眼を置き、MB-EATの構成要素のそれぞれの効果について明らかにしていくことが目的である。
|
研究実績の概要 |
マインドフルネスと失体感症が肥満の原因になる心理学的な摂食行動(情動的摂食、外発的摂食、抑制的摂食)にどのような関連をしているかについて明らかにすることを目的とし、大学生(N=106、BMI=19.39±5.61)に対し、質問紙調査を実施し、そのデータを共分散構造分析を用いて解析し、肥満症治療学会にてポスター発表を行った。 1)マインドフルネスは摂食行動、失体感症傾向のすべてを緩和する効果を持つ。 2)失体感症傾向は、わずかに情動的摂食を低めるが、外発的摂食を高める。今回の調査対象が健常な大学生であり、痩身であるものが多かったこと、ストレスにより拒食傾向になるものも一定数いることによってこの結果になった可能性も考えられる。肥満症者を対象にした質問紙調査が望まれる。3)抑制的摂食は情動的摂食を高める強い効果を持ち、高められた情動的摂食は、外発的摂食を高めるという摂食行動の負の連鎖が起こる。その一方、マインドフルネスは抑制的摂食を軽減することで、有意に情動的摂食を低める。これは、MB-EATのトレーニングの中で、食事を無理に制限せず、適量をしっかりと味わうことで満足して食行動を終えられるように指導していくことの後ろ盾になるといえよう。 また、肥満症の治療に参加していた肥満症患者から「食べ物のことが頭に浮かんで離れなる時」について具体的な自由記述を求め、そのデータを基に「Hunger Rumination」尺度草案を作成した。その尺度草案を基に大学生を対象とした質問紙調査を行い、Hunger Rumination尺度を作成した。この結果についても2022年度の日本肥満症治療学会にてポスター発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初作成を予定していたHunger Ruminationのパイロット研究が終了した。今後はこの尺度を用いて実際の肥満症者対象に調査を行っていくことで、様々な角度からマインドフルネスのトレーニング効果機序を検討できるようになる。
|
今後の研究の推進方策 |
Hunger Rumination尺度の肥満症者対象にした標準化を推進する。 また、そこで作られた尺度を基に、マインドフルネスのトレーニングが、思考反すうを抑制することで抑うつや不安を軽減していくという従来の作用機序に対応して、肥満症においても食物に関連する思考反すうを軽減することで情動的摂食を軽減していくという作用機序を示したい。
|