研究課題/領域番号 |
21K11712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
藤岡 由夫 神戸学院大学, 栄養学部, 教授 (70299098)
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研究分担者 |
眞本 利絵 神戸学院大学, 栄養学部, 実験助手 (60189892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | heme-oxygenase-1 (HO-1) / adipocyte / macrophage / fatty acid / lipid metabolism / heme-oxygenase-1(HO-1) / Fatty acid / heme-oxygenase-1 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満者の脂肪組織では多数のマクロファージが浸潤し、慢性炎症がみられ、動脈硬化性疾患の発症や進展の原因となる。脂肪細胞とマクロファージ間において、脂肪酸は脂質蓄積と炎症の促進および抑制の両方に関わる。脂肪細胞の脂質代謝関連遺伝子および転写因子を含むシグナル伝達機構の関与を調べて脂質代謝調節を明らかにすることが食事および薬物療法の確立に重要である。脂肪細胞における抗炎症作用、抗酸化作用を有するheme-oxygenase-1に焦点をあて、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸など各種脂肪酸添加の効果とメカニズムを明らかにし、動脈硬化抑制に寄与する各種脂肪酸の食事摂取目標の基盤とするものとする。
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研究実績の概要 |
脂肪細胞とマクロファージの相互関係で生じる炎症が種々の代謝異常に影響を及ぼすことから、脂肪細胞単独培養およびマクロファージ共培養条件において、抗炎症作用を有するheme-oxygenase-1(HO-1)発現に焦点をあて各種脂肪酸が3T3脂肪細胞内脂質代謝に及ぼす影響を検討した。まず前年度に引き続きHO-1 mRNA発現と蛋白質発現に対する各種脂肪酸添加の効果を調べた。 脂肪細胞単独及び共培養条件におけるHO-1 mRNA発現は、飽和および一価不飽和、多価不飽和およびトランス脂肪酸によりコントロールと比較して抑制された。ただし両培養条件で多価不飽和脂肪酸のDHAでのみ有意に増加していた。HO-1蛋白質発現は、飽和脂肪酸のうち単独培養時にステアリン酸とパルミチン酸、共培養下にパルミチン酸で有意に低下、ステアリン酸で低下傾向であった。一価不飽和脂肪酸では両条件とも著変は認めなかった。多価不飽和脂肪酸では、単独培養時にEPAとDHA、共培養下にDHAで有意に上昇し、共培養下にアラキドン酸で有意に低下した。トランス脂肪酸では単独培養時にエライジン酸、共培養下にパルミトエライジン酸とエライジン酸で有意に低下した。トランスバクセン酸で低下傾向であった。 培養液中のTNFα及び脂肪細胞内のNF-κB発現は、単培養に比べて共培養下で、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、そして多価不飽和脂肪酸のうちアラキドン酸とEPA、トランス脂肪酸でそれぞれ増加したが、DHAではどちらも濃度依存的に低下傾向であった。 現在HO-1 発現におけるシグナル伝達経路の解明のために転写因子Nrf2 の発現やシグナル伝達経路(Nrf2、ERK、p38 MAPK、AP-1、PI3K/Akt、NF-κB を含めた炎症制御機構)の変動の解析を進めている。
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