研究課題/領域番号 |
21K11728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
松尾 和彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70599753)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 一次線毛 / 中心体 / 血管内皮 / 血管老化 / 細胞分裂 / ES細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
初年度は、①PCNTと相互作用する分子を探索する為に、ビオチン化酵素をPCNTのアミノ末端に付加するように遺伝子編集を行ったES細胞を樹立し、この細胞にビオチンを添加してビオチン化された蛋白質の同定を行う。また、PCNTの遺伝子破壊された血管内皮細胞では細胞老化が進行している可能性が考えられる為、②PCNT遺伝子を破壊したES細胞を樹立し、血管内皮細胞へと分化させた後、遺伝子発現の解析を行い、PCNTが担うシグナル経路の解析を行う。さらに、③血管内皮特異的にPCNTを遺伝子破壊したマウスを作製する。次年度以降は、初年度に行った研究データの解析、及び作成した遺伝子破壊マウスの表現型の解析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、「1.血管内皮細胞においてPCNTと相互作用する分子の探索」、「2.PCNTが血管内皮細胞で担うシグナルの解析」、「3.Pcntコンディショナル KOマウスの作製」の3つの研究計画で構成されている。 「血管内皮細胞におけるPCNTと相互作用する分子の探索」に関しては、昨年度おこなった解析によりPCNTと相互作用する候補タンパク質をいくつか同定している。本年度は、同定した候補タンパク質が実際にPCNTと相互作用を示すかについて検討をおこなった。まず、培養細胞において強制発現系を用いてPCNTと同定したタンパク質が相互作用するかについて検討を行うため、これらの候補タンパク質のクローニングをおこなった。同定された候補タンパク質の分子量が非常に大きい分子が多く、クローニングが困難であった。これら候補タンパク質のうち、PCNTと相互作用を示す分子をいくつか見いだすことができた。さらに、免疫蛍光染色により、一次線毛特異的に局在する分子も見いだすことができた。 「PCNTが血管内皮細胞で担うシグナルの解析」に関しては、上記の解析により同定されてきた分子の中に、血管内皮において細胞の増殖に関与する事が報告されているシグナル分子が含まれており、現在、この分子とPCNTとの相互作用や細胞内局在などについて検討をおこなっている。 「PcntコンディショナルKOマウスの作製」に関しては、一度、ES細胞は樹立することができ、マウスの作成を試みた。しかしながら、用いたES細胞の状態が良くないためか、キメラマウス作成時のキメラ率が悪く、キメラマウスと野生型マウスの交配をおこなったがノックアウトマウスは生まれてこなかった。このため、再度、ES細胞の樹立をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「血管内皮細胞におけるPCNTと相互作用する分子の探索」に関しては、昨年度おこなった解析により候補タンパク質をいくつか同定している。本年度は、同定した候補タンパク質が実際にPCNTと相互作用を示すかについて検討をおこなっている。培養細胞において強制発現系を用いてPCNTと、同定したタンパク質が相互作用するかについて検討を行うため、これら候補タンパク質のクローニングをおこなった。PCNTは分子量360kDを超える巨大なタンパク質であるが、今回、同定されたタンパク質も分子量が非常に大きいものが多く、クローニングおよび、シーケンシングの解析に時間がかかった。 「PCNTが血管内皮細胞で担うシグナルの解析」に関しては、上記の解析により同定されてきた分子の中に、血管内皮において細胞の増殖に関与する事が報告されているシグナル分子が含まれており、現在、この分子とPCNTとの相互作用や細胞内局在などについて検討をおこなっている。 「PcntコンディショナルKOマウスの作製」に関しては、ES細胞は樹立することができたが、ES細胞の状態が良くないためか、キメラマウス作成時のキメラ率が悪く、生殖細胞系譜に改変したES細胞をのせることができていない。このため、新たにキメラ率が良いことがわかっているES細胞株を用いて、再度、PcntコンディショナルKOアレルを有するES細胞の樹立をおこなっているため、研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画「血管内皮細胞においてPCNTと相互作用する分子の探索」と「PCNTが血管内皮細胞で担うシグナルの解析」に関しては、本年度、同定したPCNT結合タンパク質の候補分子の機能解析をおこなう。具体的にはWestern blottingや免疫蛍光染色をおこなうなどして、PCNTとの機能的連関について検討する。また、PCNTや候補タンパク質の遺伝子破壊細胞株を樹立して、これらの機能解析を行う予定である。 「PcntコンディショナルKOマウスの作製」に関しては、新たにキメラ率が良いことがわかっているES細胞株を用いて、再度、PcntコンディショナルKOアレルを有するES細胞の樹立をおこなう。上手くいかない場合は、ES細胞を血管内皮に分化させて細胞レベルでの解析をおこない、研究を遂行したいと考えている。
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