研究課題/領域番号 |
21K11759
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
福永 拓郎 中央大学, 理工学部, 教授 (60452314)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 分散データベース / 共フロー / ハイパーグラフマッチング / センサーネットワーク / UAV / スケジューリング / ネットワーク設計 / 離散最適化 / 通信ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,ネットワーク設計の理論をさらに発展させ,最先端通信技術にも有用な数理技術を得ることである.例えば,最先端通信技術を支える無線通信では,無線電波を送受信するためのコストや電波の干渉,環境ノイズの影響などによる不確実性など,これまでのネットワーク設計の枠組みでは扱い難い特徴を持つ.また,多くの通信ネットワークは高い要求を満足させるために計画的な運用を行う必要があり,その中で,ネットワーク設計のこれまでの研究では取り上げられてこなかった課題が多く存在する.本研究ではこれらの要素や課題をネットワーク設計の枠組みの中でモデル化し,数理技術に裏打ちされた新たなアルゴリズムの開発に挑む.
|
研究実績の概要 |
分散データベースでのデータのやりとりをモデル化した共フローに関する研究を前年度に継続して行った.特に,共フローと深い関係があることが前年度の我々の研究の中で判明したハイパーグラフマッチングについて研究した.ハイパーグラフ上の完全マッチングが存在するための十分条件である,ホール型条件が成り立つ状況下で,マッチングを効率的に求める多項式時間アルゴリズムの開発に取り組んだ.また,共フローの概念をマトロイドへ一般化することにも取り組んだ.マトロイド交差を用いることで共フローの概念が表現できることを確認し,ハイパーグラフマッチングについて知られているホール型定理やアルゴリズムがマトロイド交差を用いた一般化においても成り立つかどうか調査した.まだ完成した結果は得られていないが,今後の足がかりとなる部分的な成果がこれまで得られている. また並行して,無線センサー同士が通信して構成するセンサーネットワークの研究も行った.有向グラフとして表現したネットワーク全体が強連結性を持つよう無線強度を設定する問題に取り組み,アルゴリズムの改良と実験による評価を行った. さらに,ドローンなどのUAVが連結性を保つよう位置を制御する問題にも取り組んだ.ニューラルネットワークを利用した既存アルゴリズムはUAV同士が極度に近づきすぎることがあるという特徴を考慮し,なるべく近づきすぎずにネットワークを維持するためのアルゴリズムを考案した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
通信ネットワークに関する様々な課題に取り組んでおり,順調に成果が得られている.前年度予想外に得られた共フローとハイパーグラフマッチングの関係について考察を深め,新たな研究の方向性についても模索しており,研究の発展が見込まれる.
|
今後の研究の推進方策 |
共フローとハイパーグラフマッチングについて研究を継続し,アルゴリズムなど新たな成果を得ることを目標とする.特にマトロイドへの拡張については部分的な結果が得られており,完成が近いと考えている. それとともに,本年度得られたUAVネットワークの制御の結果などを実システムに生かすための研究も行う.ドローンや自動走行ロボット上で実際にアルゴリズムを動かす中で,実用化するための様々な課題を洗い出し,アルゴリズム開発へフィードバックする.
|