研究課題/領域番号 |
21K11769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山下 信雄 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30293898)
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研究分担者 |
山川 雄也 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00837354)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 双対問題 / 均衡問題 / 非線形方程式 / 非線形半正定値計画 / 連続最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
大規模かつ複雑なシステムの連続最適化モデルに関する研究が盛んに行われているが,そのようなモデルを社会実装するためにはいくつかの壁が存在する.本研究では,連続最適化の双対性を利用して,実用化の障壁となる「モデル化の壁」と「アルゴリズムの実装の壁」を解決することを考える.そのためには,計算機上で利用できる形式となる「陽に書ける双対問題」を導出する必要がある.本研究では特に,フェンシェル双対問題やゲージ双対問題に着目し,専門知識がなくても双対性を利活用できるように,陽に書ける双対問題を体系的に与える.さらに,いくつかの応用事例を通して陽に書ける双対問題の利用指針を与える.
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研究実績の概要 |
本研究では,連続最適化の陽にかける双対問題を利用して,実用化の障壁となる「モデル化の壁」と「アルゴリズムの実装の壁」を解決することを考える.本年度の目的は,双対性を利用して,不確実なデータを含む最適化問題や均衡問題,またそれらの応用問題を効率よく解く手法を開発することである.さらに一般ゲージ双対問題を含めた,新しい最適化モデルの構築の検討を行うことであった.その目的に対して以下の成果を得た. ・パラメータに不確実性を有した均衡問題の均衡解の性質を解明することは重要である.本研究では,不確実性を有し,さらいに意思決定機会が2回あるシュタッケルベルグ型ゲームに対して,均衡解が存在する条件を与えた.さらに,双対性を利用して均衡解を求める手法を開発した. ・非線形方程式に対するLevenberg-Marquardt法において,正則化項を一般化した手法を提案し,その収束性を解明した.さらに,正則化項にL1ノルムを用いた場合の部分問題に対して双対性を利用した解法を開発した. ・データとの適合度を制約条件にもつL1正則化問題(Basic Pursuitなど)に対して,双対問題を導出し,その双対問題の特性を利用した有効制約法を提案した.さらに提案手法が有限回の反復で終了することを示した. ・凸関数と凸関数との差で表された関数で構成された問題(DC計画問題)の双対問題は,その凸関数の共役関数の差で表された関数によって構成された問題となることが知られている.これはフェンシェル双対の一般化とみなせる.今年度は,ゲージ関数とゲージ関数の差で表せる問題を考え,その双対性について検討した.DC計画問題とは違い,ゲージ関数とゲージ関数の差で構成された問題では有界とならないことがある.そのため,制約条件を含むモデルの構成が重要となることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
連続最適化の技術を社会実装するためにはいくつかの壁が存在する.本研究では,連続最適化の双対性を利用して,実用化の障壁となる「モデル化の壁」と「アルゴリズムの実装の壁」を解決することを考える. 本年度は,データに不確実性を含むシュタッケル型ゲームに対して分布的ロバスト均衡解の存在条件を与えるとともに,その解法を提案した.さらに,非線形方程式やBasic Pursuitなどの応用上重要な問題に対して,双対性を利用した解法を提案し,既存手法と比べて理論的に優れている状況を考察した.しかしながら,昨年度から引き続きゲージ双対問題に必要となる極関数の調査は未実施である.これは,DC計画問題の双対性に対する新たな知見を得たことにより,一般化ゲージ最適化問題に対する新しい双対性の可能性が出てきたことによる.次年度以降には,この新しい双対性の研究をすすめると同時,極関数の調査を進める予定である. これらのことから,本研究はおおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的としている「モデル化の壁」と「アルゴリズムの実装の壁」の二つの壁の解消について,「アルゴリズムの実装の壁」に関連した研究は順調に進展しており,2023年度以降も当初の計画どおりに研究をすすめる. 一方で,「モデル化の壁」については,DC計画問題の双対性に対する新たな知見を得たことにより,それと関連させて,一般化ゲージ最適化問題に対する新しい双対性の研究を開始する.その研究と同時,当初の研究計画にあった極関数の調査を進める予定である.
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