研究課題/領域番号 |
21K11781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清 智也 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (20401242)
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研究分担者 |
田中 潮 大阪公立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60516897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | コピュラモデル / グラフィカルモデル / 情報幾何 / 測度集中 / 統計的推測 / ベイズ予測 |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会に現れる多種多様なデータに内在する従属構造を具象化するため,情報幾何学を積極的に活用したグラフィカル・コピュラモデリングを展開する.特に,空間的依存性を持つデータ,カテゴリカルデータ,ネットワークデータ,点過程データ等にも対応できる柔軟かつ汎用的なモデル化ならびに推測手法の確立を目指す.さらに高次元コピュラにおける測度集中現象を考察し,その統計的推測への応用の道を開拓する.
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、コピュラモデルや従属モデルの構築法・推測法について調べた。ここでコピュラとは周辺分布が一様分布となるような同時分布のことであり、確率変数の従属性を記述するときに用いられる。本課題の主な対象は最小情報コピュラおよび最小情報従属モデルと呼ばれるクラスである。これらはグラフィカルモデルなど幅広い応用が期待される反面、正規化関数が陽に計算できないという困難があるため、正規化関数を計算せずに推定する方法をこれまで構築してきた。今年度はその推定法であるconditional Kullback-Leibler scoreおよびBesag擬似尤度法について、漸近分散や存在条件を求めた。この結果を昨年度までに得られた結果と合わせて論文にまとめた。さらに並べ替え検定からモデルを導出できるという点について、非専門家向けの雑誌にて発表した。 また、離散分布の数量化に関するStein型等式ならびにPoinare不等式、関連する測度集中不等式の研究も引き続き行なった。特に今年度は数量化の間隔について詳しく評価した。 その他の関連する成果として、従属モデルを含む一般の統計モデルに対するベイズ予測問題の考察が挙げられる。特に、群が作用するような統計モデルに対する右不変事前分布と左不変事前分布の比が調和関数となることを示し、この性質を利用してより良いベイズ予測分布を構成する方法を導くことができた。また、多変量解析や方向統計学の分野で現れる非心カイ二乗分布の畳み込みの累積分布関数と密度関数に関するいくつかの性質を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最小情報コピュラや最小情報従属モデルの推定法に関する研究は、それぞれ査読付き論文誌に採択された。また次年度の研究計画も明確になっている。
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今後の研究の推進方策 |
最小情報従属モデルについて、これまでは独立同一分布(ランダム標本)を念頭に考察を進めてきたが、マルコフ連鎖モデルに拡張できることが概ね確認できている。この結果を精緻化し、論文にまとめることが第一の推進方策である。また離散分布の数量化については技術的な問題が残っているが、問題の仮定をうまく緩和することで解決するという方針で進めていく。
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