研究課題/領域番号 |
21K11785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 浩平 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (60299055)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多変量解析 / 因子分析 / 主成分分析 / 不等式 / 誤差平方和 / 負荷量の大小 / 平方和の分割 / 負荷量 / 利用ケース峻別 |
研究開始時の研究の概要 |
因子分析(FA)と主成分分析(PCA)は,ポピュラーな統計ソフトウェアに常備される汎用的な多変量解析法であり,多変量データの多くの変数を少数の因子・成分に縮約するという同一の目的のために,同一データに対して適用される.こうしたFAとPCAの類似性にもかかわらず,両手法のいずれかを使うべケースの区別が明確ではない.本研究では,この問題を解決するため,FAとPCAに加えて,両者の中間というべき制約つきFAも考慮し,これら3つの手法の解の相違を数学的に考究するとともに,シミュレーション検証も行い,PCA・FA・制約つきFAを使うべきケースを明確にすることを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,多変量データの多くの変数を少数の因子・成分に縮約するという同一の目的のために,同一データに適用される因子分析(FA)と主成分分析(PCA)のいずれを使うべきかを峻別するため,FAとPCAに加えて,両者の中間というべき制約つきFAも考慮し,これら3つの手法の解の相違を考究する.2022年度の課題は,前年度に証明した数学的事実から予測される経験的事実の数値的確認[1, 2],および,新たな数学的事実の証明[3]である.[1]~[3]の主な研究成果を以下に記す. [1] PCA, FA, 制約つきFAモデルから生成した人工データに,PCA, FA, 制約つきFAを適用するシミュレーションを行った.それらの解から,データ種別に関係なく,昨年度に証明した「PCAの誤差平方和>制約つきFAの誤差平方和>FAの誤差平方和」ことから予測される「各変数の誤差分散がPCA, 制約つきFA,FAの順に大きい」ことが,ほぼ常に成り立つことが確認された. [2] 上記のシミュレーションの解から,データ種別に関係なく,昨年度に証明した「PCAによって得られる負荷行列のノルムが,FA・制約つきFAの解の負荷行列より大きい」ことから予測される「PCAの負荷量の絶対値がFA・制約つきFAの解の負荷量の絶対値より大きい」ことが,例外はあるものの,髙い確率で見いだせることが確認された. [3] FAの独自分散の平方和の下限が,PCAの誤差総分散からFAの誤差総分散を引いた値であることを証明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した3年間の研究のほぼ3分の2を,2022年度終了時までに達成できたので.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までに扱ったは因子分析(FA)は因子得点をパラメータ行列と見なす行列分解型のFAであったが,因子得点を潜在変数とみなすFA(潜在FA)は,主成分分析(PCA)と直接的に比較が難しい.しかし,2022年度までに見いだせたPCAとFAの解の関係が,PCAと潜在FAにも見いだせると推察され,このことをシミュレーションによって検証する.そして,この結果と2022年度までの結果を踏まえて,PCA・FAを使うべきケースを峻別するガイドラインを提示する.
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