研究課題/領域番号 |
21K11793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
白石 博 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90454024)
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研究分担者 |
中村 知繁 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 研究員 (30888673)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ランダムフォレスト / 分位点回帰 / 非線形回帰モデル / Hawkes過程 / Hawkes graph / 非線形自己回帰モデル / ネイマン直交化 / 統計的推論 / 時系列解析 / 直交化機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
モーメント法によるパラメータ推定(M推定)を行う際,推定方程式に未知の関数が含まれている場合の推定手法を考察する.未知の関数を機械学習などにより推定した後,ネイマン直交性(Neyman-orthogonality)をみたす推定方程式を導入することで,√n - 一致性を達成する推定量を構築する.この手法を時系列解析に応用し,(1)非線形AR-ARCHタイプモデルにおけるパラメータ推定問題(2)ポートフォリオ選択問題(3)VaRの推定問題 に対する推定手法を確立し,漸近的性質を明らかにする.また,これらの結果と従来の手法をシミュレーションによって比較し,実データ解析を通じてその有用性を明確にする.
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研究実績の概要 |
本年度は、時系列データがDavis and Nielsen (2020)と同様に exponentially α-mixing という性質をもつときに、一般化ランダムフォレスト(Generalized Random Forest; GRF)の枠組みで推定された条件付き分位点関数の推定量が一致性を持つことを確認した。昨年度は理論的結果を大筋で確認していたが、この証明を完成し、シミュレーション結果と実データ解析結果を加えて論文として投稿した。 また、一般のGRFに関する漸近正規性の議論を始めた。ただし、IIDの場合の先行文献の結果は各点での収束しか議論されておらず、さらに漸近分散は明示的に導出されていないため、IIDの場合の関数推定量についてのガウス過程への弱収束の議論に取り組み、その後に時系列モデルでの議論に取り組むこととした。 また、上記の応用として、Hawkes過程の強度関数(intensity function)をランダムフォレストを用いて推定する手法を考察した。本年度は単変量のHawkes過程の場合に留まっているが、将来的には多変量に拡張し、多変量Hawkes過程の特徴を表すHawkes graph の推定手法の構築に繋げることを目標としている。 一方、Bernard et.al(2022)などによる変数重要度の手法・理論をGRFに適用することも検討を始めた。Sobol-MDAやSHAFFなどの手法をGRFに適用し、それらの手法の理論的正当性の議論の検討を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GRFの推定量に関する漸近理論について、当初は、先行文献のIIDの場合の結果を時系列モデルに拡張することのみ考えていたが、既存結果の各点収束を一様収束に拡張することの必要性が判明したため、取り組むべき課題が増えたが、概ね順調に進展している。最終的には時系列モデルに対して、ネイマン直交化を用いた漸近有効性の議論に取り組むことが目標だが、IIDの場合での結果を構築するのが先決であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
まず、IIDの場合で、GRF推定量の一様一致性および漸近分布の導出に取り組む。漸近分布はガウス過程にしたがうことが予想されるが、漸近分散については新たに導出する必要がある。続けて、この結果を時系列モデルに拡張することに取り組む。 また、Hawkes過程への応用については、来年度中にHawkes graph の推定手法の構築を提案したい。続けて、この推定量の漸近理論の構築に取り組む予定である。 一方、推定量の漸近理論の構築に並行して、GRFによる変数重要度の理論の応用にも取り組む予定である。
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