研究課題/領域番号 |
21K11798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
大門 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40372156)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 抗悪性腫瘍薬 / 用量探索 / Bayes流デザイン / ベイズ流デザイン / 用量探索デザイン / 最大耐用量 / 用量制限毒性 / セミパラメトリック |
研究開始時の研究の概要 |
抗癌剤の最適用量は,癌患者に初めてそれを投与する「用量探索試験」を通じて探索・決定される.用量探索試験では,通常,抗癌剤の作用機序に基づいて用量の増加とともに毒性と効果の発現確率が高くなることを仮定するため,患者間で用量を増減しながらそれらの毒性の有無を観測し,毒性に耐え得る最大用量(最大耐用量)が探索・決定され,この最大耐用量が有効性を評価する後続の検証的試験ひいては実地で最大の効果を期待できる最適用量として同定される.本研究では,この最適用量を良好に探索・決定するための新しいデザインと関連諸法を開発する.標的とする患者集団にとって最適用量が投与されれば,抗癌剤による治療法の成功につながる.
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研究実績の概要 |
抗癌剤の最大耐用量は,「用量探索試験」を通じて探索・決定される.用量探索試験とは,癌患者に抗癌剤を投与し,患者間で用量を増減しながらそれらの毒性を観測し,毒性に耐え得る最大用量を探索する試験である.本研究では,この用量探索試験における抗癌剤の最大耐用量の探索・決定のための新しいデザイン及びその拡張並びに関連諸法を開発し,それらの実地での適用可能性を明らかにすることを目的としている.この目的の達成のために,前年度に続き,毒性発現までの時間を評価項目としたBayes流モデル平均化セミパラメトリック用量探索デザイン(Bayesian model-averaging semiparametric dose-finding design)を開発し,その性能を評価するためにシミュレーションを行った.また,用量探索試験の各種デザインに適用可能な標本サイズ設計法を開発し,数値検証が完了している.この方法は,用量探索デザインによって割り当てられる用量と毒性の有無に関する全組合せを数え上げるものであり,いわば有限母集団を扱うものであり,潜在アウトカムをとり扱っていると見做し得ることから,因果推論を基盤にした方法であるといえる.これらについて論文を作成中である.同時に,関連する最新の研究開発動向の調査を継続し,その成果を特集記事の1つとして公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日常業務遂行のため,研究時間を確保できなかったことが最大の理由の一つである.本研究そのものに関わる理由としては,用量と毒性反応結果に関する高次組合せ計算について,前年度と同様,計算機における中央演算処理及びメモリの限界へ対処するために高度なプログラミング技術を要し,開発に時間がかかった.論文の執筆には着手できているものの,公表には至っていないため.
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今後の研究の推進方策 |
日常業務をより効率的に遂行し,論文執筆の時間を確保する.
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