研究課題/領域番号 |
21K11801
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 日本文理大学 |
研究代表者 |
有吉 雄哉 日本文理大学, 工学部, 准教授 (80735019)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 宇宙ゴミ / 破砕イベント / モデリング / 階層ベイズモデル / レーダー観測 |
研究開始時の研究の概要 |
爆発・衝突で発生した破片スペースデブリ群の物理的特性がどのような性質のものか,また破片デブリの時空間分布がどのように変動するかを統計的手法により,推測・予測することが本研究の目指すものである.階層ベイズモデルを用いることで,破砕イベントごとの差違も加味し,破片スペースデブリ群の物理特性値を分布で表現・推定する.また,推定した分布からのサンプリングにより,破片スペースデブリ群の時空間分布の変動を推定・予測し,レーダー観測結果との比較により,推定結果の妥当性を検証する.
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研究実績の概要 |
爆発・衝突で発生した破片スペースデブリは,現在の技術で全てを観測出来ないものの,運用中の宇宙機に衝突をすれば,故障に繋がる恐れがある.そこで,地球周回軌道上のデブリの分布状況について,現在の観測技術では不可能な微小サイズのものまで高精度に推定・モデル化が行えれば,デブリとの衝突リスクの推定精度の向上と耐デブリ対策として最適設計に寄与できる.本研究課題では,破砕イベントで発生した微小な破片スペースデブリを含め,破片スペースデブリ群としての物理的特性がどのような性質のものかをモデルとして明らかにすること,またそのモデルが妥当なものか,観測データとの比較により検証することが目的である. 本研究課題は研究期間全体を通して,「A. 破片デブリ群の物理的特性分布の推定・モデル化」と「B. レーダー観測結果によるモデル化の妥当性の検証」に分けて実施予定であるが,2022年度に実施した破片スペースデブリの個数分布のモデリングに引き続き,2023年度は,爆発で発生した破片スペースデブリの面積質量比の分布および放出速度分布についてのモデリングに取り組んだ.いずれもNASA標準破砕モデルをベースとして,階層ベイズモデルにより爆発の規模を表すと考えられるパラメータを組み込むことで,各破砕イベントごとの差異を含んだモデルを構築した. 面積質量比分布のモデリングについてはThe 34th International Symposium on Space Technology and Scienceにおいて,放出速度分布のモデリングについては,日本航空宇宙学会西部支部講演会(2023)において発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
破片スペースデブリの放出速度分布のモデリングの過程において,観測データとなる個々の破片スペースデブリの破砕発生時の放出速度の推定値に課題があり,モデリング手法の検証までとなっている.破片スペースデブリの放出速度分布を得るには,これまでに発生した破片スペースデブリの破砕発生時の放出速度を推定し,その結果をもとに改めて破片スペースデブリの放出速度分布のモデリングを行う必要がある. また,「B. レーダー観測結果によるモデル化の妥当性の検証」に未着手となっている.
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今後の研究の推進方策 |
放出速度分布のモデリングを完了させ,「B. レーダー観測結果によるモデル化の妥当性の検証」を実施する.放出速度分布のモデリングは現在実施中であるが,その過程において破砕イベント発生時の破片スペースデブリの放出速度の推定において課題があることが判明したため,あわせて破片デブリの放出速度の推定を実施する.
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