研究課題/領域番号 |
21K11808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
沼 昌宏 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60188787)
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研究分担者 |
黒木 修隆 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90273763)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 設計変更要求 / 論理診断 / 論理再合成 / LSI設計支援技術 |
研究開始時の研究の概要 |
大規模化・複雑化するLSIの設計変更要求(ECO: Engineering Change Orders)に対応するべく,ZDD(ゼロサプレス型二分決定グラフ)による修正箇所の非明示的集合表現と含意操作を融合した論理診断手法を新たに考案・実現することによって,大規模回路に対して発生する高多重度ECOに対応可能とし,設計変更に要するコストと時間をともに半減する。ECO発生前の初期回路においても再構成可能(RECON)セルを活用することで,ECO発生後の論理再合成におけるセル割当ての自由度を高め,柔軟性の高い論理診断・再合成システムを構築する。
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研究実績の概要 |
2021年度に提案・実現した修正箇所シミュレーションに関して,大規模回路を対象とした組合せ箇所の抽出・絞り込みに要する処理時間短縮を目的として,不一致部分回路に含まれるLUTに対応した修正箇所変数のみを含む限定的な多重度制限関数を定義域指定関数として用いることで,処理を効率化する手法を提案した。さらに,誤り可能性の指標:EPIを用いた誤り追跡入力全体の評価に基づいて適用順序を入れ替える,誤り追跡入力適用順序変更手法を提案した。提案した手法をプログラムとして実装し,4または5箇所の誤りをランダムに挿入したベンチマーク回路を用いて実験を行った結果,処理時間を最大 93.4%,平均48.4% 短縮する効果を確認した。 一方,論理再合成手法に関して,メタル配線によって論理機能を再構成可能なRECONセルをスペアセルとして予めチップに埋め込んでおき,設計変更要求(ECO)への対応を実現してきた。トランジスタ数の異なる2T/4T/6T-RECONセルの3種類が適用されるが,従来手法では多入力のRECONセルの配置数の不足によって,スペアセル割当てに失敗する場合がある点に課題があった。そこで,設計段階でメタル修正に必要な2T/4T/6T-RECONセル数の比率を予測し,各セルの配置数を決定する手法を提案した。修正方法として発生し得る全パターンについて,設計段階であらかじめテクノロジ・マッピングを行うことで,修正に必要な平均RECONセル数を算出する。提案手法を計算機上に実装して初期回路および論理再合成後の回路に対して2種類の従来手法と比較する評価実験を行った結果,初期回路のslackについてはそれぞれ平均7~25% 減少する一方で,スペアセル割当て成功率についてはそれぞれ平均1.3~2.0 pt向上し,特に回路規模に対して修正の規模が大きい場合に提案手法が有効であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」に述べたように,交付申請書に記載した「研究実施計画」に従って,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
上記「研究実績の概要」に述べたように,交付申請書に記載した「研究実施計画」において当該年度の実施が見込まれていた部分について,ほぼ達成したと考えられ,今後も研究実施計画に従って着実に研究を進める予定である。
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