研究課題/領域番号 |
21K11829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楠本 真二 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (30234438)
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研究分担者 |
肥後 芳樹 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (70452414)
松本 真佑 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (90583948)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ファンクションポイント / 見積り / ヒューマンスキル / 深層学習 / iコンピテンシディクショナリ / メトリクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ソフトウェア開発プロジェクトの失敗原因の一つである不正確な見積りに対して,開発の特徴に応じてファンクションポイント(ソフトウェアが利用者に提供する“機能”規模を計測したもの)をベースにした(1)見積りを行うための基盤環境提案と(2)超上流工程・保守の見積り手法の開発を目的とする.基盤環境には,過去の見積り手法や本研究で新たに開発する手法の情報が蓄積された見積りリポジトリが含まれる.
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研究実績の概要 |
本研究では,ソフトウェア開発の特徴に応じてファンクションポイント(FP,ソフトウェアが利用者に提供する“機能”規模を計測したもの)をベースにした見積り基盤環境の提案と超上流工程・保守の見積り手法の開発を目的としている.今年度は見積りリポジトリへの登録情報の定義の継続と超上流工程・保守の見積り手法の開発について実施した.登録情報の一つに開発プロジェクトの特徴を表すためのコンテキスト情報が必要であるが,昨年度は開発プロジェクトメンバーの能力に関する情報とし,開発者それぞれの業務(タスク)遂行力や業務を行う上で必要な技術スキルの修得度合の定量化について検討したが,今年度は業務遂行力,技術的なスキル,ヒューマンスキルとの関係を調査した.結果として,プロジェクトマネージャや要求分析者といったプロジェクト全体の管理や上流工程に携わる開発者はコーディングや単体テストといった下流工程を担当する開発よりもヒューマンスキルが高いことが確認された.プロジェクト参加者のこれらの評価値を用いることで,FPに基づく見積り結果の補正に利用できる可能性がある.また,超上流工程・保守の見積り手法の開発として,自然言語(日本語)で記述された仕様書からのFP計測手法について検討した.具体的には,深層学習モデルを用いたFP計測の自動化手法について研究を進めた.現状,幾つかの小規模な仕様書からのFP計測については妥当な結果を得ているが,今後仕様書を増やす,大規模な仕様書への適用を行っていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画は,(P1) 見積りリポジトリへの登録情報の定義と収集,(P2) 新しい開発形態や技術を考慮した見積り手法の開発(超上流工程での見積),(P3)見積支援環境の提案,の3つから構成されている.(P1)については,登録情報として有用な項目の確認,(P2)については,超上流工程で作成される仕様書を対象としたFP自動計測手法の開発を進めており,(P3)にむけた準備がおおむね進捗できていると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
計画に基づき,進めていく予定である.(P1)については,コンテキスト情報を構成する具体的な項目の案を決めるとともに,見積結果への補正方法について検討する.また,直近で新たに公表されたFPに基づく見積り手法に関する情報を収集する.(P2)については,より多くの仕様書,大規模な仕様書への提案手法の適用可能性について評価する.(P3)については,(P1)で決めたコンテキスト情報とともに,これまで収集している見積り手法に関する情報を共通のフォーマットでまとめていく.
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