研究課題/領域番号 |
21K11868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中川 匡夫 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (50530804)
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研究分担者 |
笹岡 直人 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (80432607)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 直交誤差 / IQインバランス / シングルキャリア / MIMO / チャネル推定 / ブラインド推定 / ブラインド補償 / GFDM / シングルユーザ |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はブラインド推定が困難な周波数依存性のある直交誤差を有するシングルキャリア信号に対し、ブラインド推定・補償を行う技術を提案してきた。本研究の目的は、この技術を空間多重無線通信に拡張し、周波数依存性のある直交誤差を有するMIMO-シングルキャリア信号に対するブラインド推定・補償技術の確立することである。研究の方法としては、受信信号処理アルゴリズムと送信信号フォーマットをシミュレーションによって検討した上で、測定器と複数の送受信機を組み合わせたオフライン信号処理系を構築して検証実験を行い、アルゴリズムの確からしさと現実のハードウェアで考慮していない要因の有無を明らかにし、さらに改良を進める。
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研究実績の概要 |
申請者は直交誤差を有するシングルキャリア信号に対し,ブラインド推定・補償を行う技術を提案してきた.本研究の目的は,さらなる高速化が可能となるようこの技術を空間多重無線通信に拡張し,周波数依存性のある直交誤差を有するMIMO-シングルキャリア信号に対するブラインド推定・補償技術の確立することである. 令和4年度は周波数オフセットがある場合の2×2MIMO-シングルキャリア信号に対するシミュレーション系を構築し,ブラインド推定・補償技術を検討した.その結果,ピリオドグラムのブラインド周波数オフセット推定器とフィードフォワード型を修正した新規ブラインド位相オフセット推定器を組み合わせて,周波数オフセットのブラインド補償,パイロット信号を用いたMIMO信号分離,周波数依存性のあるIQインバランスのブラインド補償の効果が得られることを確認した.ただし周波数依存性が大きい時,BER特性がフロアを引く(SN比を大きくしてもBER特性が下がらない)問題があり,判定信号をフィードバックしてチャネル推定に使う方法を考案し,良好な特性を得た. また新規にOFDM・シングルキャリア同時伝送システムにおける各種周波数依存性IQインバランスに対するブラインド補償を検討し,良好な特性を得た.本成果を学会発表した結果,電子情報通信学会短距離無線通信研究会論文賞を受賞した. またMIMO-OFDM信号に対するシミュレーション系を構築し,タグフィルタを用いることでパイロット信号なしでMIMO分離とIQインバランスのブラインド推定・補償する技術を考案し検討した.その結果,ある程度の補償効果が得られることを確認した.さらに検討を深める.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
周波数依存性のある直交誤差を有するMIMO-シングルキャリア信号に対するブラインド推定補償技術として当初計画では,CSI(チャネル状態情報)をフィードバックし,プリコーディングを行って送信データを変更することによって1回目の初期判定の特性をよくする方法を計画していた.しかしながらシミュレーション系を構築しアルゴリズムの検討を進める中で,パイロット信号とその平均化方法を工夫することによって, 送信データの変更なしに16QAM・2×2MIMO信号の分離と直交誤差のブラインド補償の両立が可能であることを明らかにした. 令和4年度は周波数オフセットおよび位相オフセットの補償を含めて,MIMO分離と周波数以前性のあるIQインバランスの補償効果を確認した.さらにOFDMとシングルキャリアを同時伝送し,次世代のGFDM(Generalized Frequency Division Multiplexing)通信やコグニティブ無線につながる構成をあらたに検討し,良好な特性を得た. またMIMO信号の分離をタグフィルタを用いることで,パイロット信号なしでMIMO分離とIQインバランスのブラインド推定・補償が行えることも明らかにした.
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今後の研究の推進方策 |
今後はマルチユーザMIMOに取り組むとともに,ここまでに確立した信号処理技術を実験によって検証する.任意信号発生器で周波数依存性のある直交誤差を発生する広帯域なベースバンド信号を発生し,RFの直交変調器を変調して送信し,受信側ではRFの直交復調器を用いてベースバンド信号に戻してデジタル・ストレージ・オシロスコープに蓄積してPC上でオフライン信号処理を行う.信号処理技術を検証し,アルゴリズムの確からしさと現実のハードウェアで考慮していない要因の有無を明らかにし,必要に応じて信号処理アルゴリズムを再度ブラッシュアップする.
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